Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

政治家の試練

 民進党蓮舫代表代行は今回の二重国籍騒動に対して、基本的には違法でないという方策の一点突破を狙っているように見える。そして、いくつかのメディアおよび言論人は、今回の問題を過誤によるもので個人的な責任がないとしたり、あるいは世界的な潮流から日本はずれているなどと言う論を張っている。
 私個人の感じは少し前に書いたとおり、蓮舫議員が日本人であることは間違いないし、法律が想定していなかった部分が露呈しただけなので、今後修正すればよいと考えている。その上で、蓮舫議員のこれまでの立ち振る舞いが今後の選挙で国民の考えとして示されればよいと思う。

 要するに、最大の論点は二重国籍そのものを理由としての蓮舫議員の排除ではなく、そのようなことを処理できない(上手く対応できない)ことへの政治家としての資質ではないかと思う。そもそも、どんな議員でもポジションが権力に近づくほどに、様々な報道や追求が巻き起こる。それを行っているのは主にメディアや、リベラル系の識者であろう。
 今回の蓮舫議員が受けている試練も、これまで多くの議員が受けてきた通過儀礼と何も変わらないと思う。そして、国民はその難題にどのように対処するかを見て、政治家としての資質を見極め、権力を委譲しても良いかどうかを判断する。

 私は蓮舫議員にシンパシーを感じている訳ではないが、今回の問題を上手く乗り切れるのであれば政治家としての力量を認めると思う。逆に言えば、現時点までの対応は非常に拙い。権力に近づくには相応しくない振る舞いや言動が多い(台湾への配慮やコロコロと変わる説明)。要するに、彼女は攻めるに強いが守るに弱い政治家であると言う事を今自らの行動で証明しつつある。
 私などが全てを見切ることは出来ないが、現状の不利を挽回できなければ政治家としては当分の間、上を望めなくなるだろう。逆に言えば正念場である。惜しむらくは、民主党にそのような場面での対応を諭せる人材がいないことだろうか。
 真に彼女を御旗として掲げて政権を狙いに行くなら、守るところはしっかり守り、正すところはしっかりと正さなければならないが、民進党としてのスタンスが全く見えてこない。要するに、人気の高い彼女にぶら下がって党勢を立て直そうというゲスな考えがなんとなく見えて透ける。
 私の予想が正しければ、必要が無くなった段階で彼女は切り捨てられるだろう。もちろん、その状況を切り抜けられるかどうかも蓮舫議員の政治家としての力量に依るが、党としての新たなチャレンジは見えてこない。その場しのぎの繰り返しと言うしかない。

 政治家は、特に高いポジションに立てば国内だけではなく、国外と胸突き八丁のやりとりをしなければならない存在だ。攻めるに強くとも守るに弱ければ、日本という国を不利な立場に追い込む危険性がある。一部のロマンチスト達が言うほど国際政治は甘いバラ色ではない。
 日本がどんなに礼儀を尽くしても、相手が応じてくれる保証などはないのだ。

 今回の問題は、蓮舫議員の政治家としての資質を見極める上で非常に重要な機会だと思う。安易に建前論をぶち上げて彼女を擁護することは、逆に彼女の成長を邪魔しているようにも思う。私は、傍観者の一国民としてここで徒然なるままに書いているに過ぎないが、メディアや一部の識者達はそこまで考えているようには見えない。それは結局、彼らも彼女をダシにして自らの主張を振りかざしているに過ぎないからである。