Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

嫌韓とは何か

 嫌韓についての議論がなされる時にいつも思うのだが、どうも今一つ論点がかみ合っていない。個人としての韓国人には素晴らしい人も良い人も少なくなく、更に大部分が普通の人であると言っても良い。一部の過激なネット言動と団体やマスコミ(韓国の場合には政治家)等が抜き出して利用していると考えても良いだろう。レベルや内容に違いはあるものの、日本も匿名のネット上では聞くに堪えない言葉も飛び交っており、第三者的に見ればお互いさまという意見が出ることもあるだろう。
 ところが、ネット以外の場面でも韓国を嫌う人が増加しているのは少し前より何気ない普段の会話において口にするごく普通の人が増えていることで感じていたが、最近は雑誌などが商売になると以前はタブーとされてきたことまで積極的に書き始めており事態は加速している。
 ただ、雑誌が売れるということは潜在的な需要があるということでもあり、結局のところこうした雰囲気が醸成されているのは事実であると考えてよい。この時、批判されているのは個人個人の韓国人ではなく、社会システムとして反日を行うのが日常化している韓国という機構であると私は考えている。中国の反日は、国家が組織的に広げているその姿勢が問われている。

 日経新聞が擁護(http://www.nikkei.com/article/DGXDZO67042250Z10C14A2MM8000/)したり、日韓で交流している学生の言葉を引用したりして火消しに必死なところもあるようだが、友人関係になるような韓国の一般の人たちは文化の違いはあるものの、ネットで見かけるような過激な言動を吐き行動しているはずもない。そんな暇があれば日々の生活(仕事や勉学)に時間を割いている。
 ごく一部に反日行為により売名する人たちがおり、それをマスコミや政治家が最大限利用している現状が問題なのだ。そして、近頃日本全体に広がりつつある嫌韓感情はこうした売名的反日・侮日行為を理由としている。別に個々の韓国人を否定しているわけではない(一部匿名のネット言論は別として)。
 だから、いくら個別の韓国人たちは決して反日ではないとか良い人たちだとアピールしてみても、嫌韓感情を持つ人たちの心を動かすことはないだろう。

 また、日本の識者の中はネトウヨ(ネット右翼)が嫌韓の主体であるように言う人もいるが、もうそんな時代はかなり昔の話であろうと思う。2チャンネルの一部でそのような議論がされてきたのは、10年以上前の話である。2002年の日韓ワールドカップ以降こうした感情はネットを中心に徐々に広がり始め、李明博大統領の天皇陛下侮蔑発言以降ネット以外の社会でも急速に拡大した。
 確かに、低収入の不平不満がある人が鬱憤晴らしとしてこうした言動に走ることはあろう。「金持ち喧嘩せず」の言葉通り、普通はわざわざトラブルを自ら引き起こすような自暴自棄に走る必要はない。ただ、実際には低収入でなくともこうした認識が広がりつつある。もちろん、スタートは社会的不満の露出で始まったのかもしれないが、それは単に沸点が低いと言うだけのことであって現在ではそれ以外の理由も加わり始めている。
 自らの不満以外の理由は、当然ながら自らに不利益が降りかかると認識し始めたからに相違ない。近年、アメリカにおいて在米韓国人(あるいは韓国系アメリカ人)が在米日本人に明らかな嫌がらせなどを行っていることが伝えられている。これは、日本という国が韓国という国(中国も共闘している)から受けている状況と同じである。

 それを話し合いにより容易に回避可能と判断する人は、自らの身に降りかかる事態とは考えていないと思う人もいるだろう。しかし、嫌韓感情は間違いなく自己(あるいは日本人、もしくは日本という国家)に対する不利益の到来を予測しているところから始まっている。
 個人的に言えば、現在の韓国が行っている対日本ネガティブキャンペーンは稚拙であって、世界中に韓国の厭らしさを振りまいていることでもあると思う。ただ、それでも一定数以上の人たちはその言葉を信じ日本を貶めることに加担することにもなろう。私は日本という国家は韓国等のネガティブキャンペーンに打ち崩されるほどに弱い国ではないと信じているが、それでも少なくとも一定期間の不利益は被ることになる。
 嫌いであるかどうかという感情論で見るのではなく、単純に日本の利益(富のみではなく信用も)を奪い取ろうとして活動する相手に対して、それを合法的かつ理知的に阻止すればよいだけだと思ううので私には嫌韓という気持ちはそれほどない。ただ、つまらない感情論を前面に押し出した韓国の行動が日本の譲歩を引き出すと考えている韓国マスコミや政治家の思考には嫌悪感を持つ。
 その上で日本が譲歩すれば現状の対立も丸く収まり、その方が日本の価値を高めると考えているお花畑な考えにも同様である。こうした日本の識者は嫌韓という感情に感情で対抗する状況を、見下すことで自分のレベルを確認しようとしているだけであり、それほど日本にとっての利益(損得)考えているとは思わない。簡単に言えば道徳論を用いた自己満足である。

 ただ、喧嘩の時に最もわかることではあるが、通常は論理は感情には勝つことができない。両者の戦いは、相手に論理を受け止める理解があってこそ論理は感情に勝つことができるが、その気持ちがなければ物別れはあっても論理は感情に打ち勝ていることはない。もちろん第三者がいれば話は別となるだろうが、その第三者も必ずしも論理性に基づいて裁定してくれるとは限らない。そうしなければならない義理はないのだ。
 感情のみで押してくる相手には、論理性を捨てるわけではないが同じレベルの感情で対抗して、感情レベルの膠着状態を作ることが必要となる。感情なら論理に打ち勝てる(周囲の同情も引いて)と考えてい行動している相手にとっては想定外の舞台となるからである。
 そして、相手が膠着を打ち破るために何らかの論理性を持ち出して来たときに、再び論理性で打ち破ればよい。

 感情的になる人に対して、冷静かつ理知的に諭すことは見るからに大人の行動である。それは、論理的な行動をどのように行えばよいのかを判断できないである相手に対しては、論理性を教えることで自らの土俵に導き有利に展開するから意味がある。
 しかし、最初から論理性の土俵は不利と理解して感情論のみで戦おうとしている相手に対しては全く効果はなく、場合によっては論理性を振り回すほどに不利になっていく。嫌韓という動きが広がり始めているのは、ある種こうした流れを無意識のうちに国民が理解しているからではないだろうか。
 ちなみに、私の個人的に考えは「韓国は馬鹿なことをして自滅しようとしているな」と言ったものである。中国に摺り寄っても、中国経済が混乱をきたした時にはおそらく無視されるか、逆に収奪利用されるだけであろう。最終的には欧米から日本が救済するように要求が来るであろうが、それを日本が断る理由を現在韓国は作り続けている。ゆとり教育はそろそろ終わりにしなければならないのであろう。