Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

新聞軽減税率アンケート

 相も変わらず各社挙げて新聞軽減税率キャンペーンが行われている。メディアは盛んに消費税増税決定の印象操作に走っているが、その片隅では自分だけは特権を確保しようと必死だ。以前より、私は現時点での消費増税には反対だとしてきたが、正直言えばアベノミクスで上向き始めたマインドを、以前以上に冷やしてしまうことになりかねないと思っている。

軽減税率 消費税8%時に導入を目指せ(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130925-OYT1T01661.htm
新聞への軽減税率考えるシンポ、都内で開かれる(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130926-OYT1T00971.htm?from=ylist

 これらの記事は読売新聞ではあるが、朝日も毎日も全てキャンペーンには賛同しており、なりふり構わず必死な姿が痛々しい。私の個人的感覚で言わせてもらえば、仮に軽減税率が導入されたからといって新聞の購読者数減少に歯止めがかかることなどないし、そもそも新聞への適用は国民の声なのかという疑問に対して何も答えていない。
 私は新聞に軽減税率を導入する必要など全くないと思うが、できることなら一般書籍には軽減税率を導入してもらいたい。もはや、ニュースソースとして新聞はほとんど活用していないし、社会問題に対する詳細な内容は専門のブログか専門書籍を読むほうがずっと効率的だ。速報性のあるニュースもネットでは即時に流れてくるし、そのソースが新聞であることはあろうがそれはテレビでも構わない性質のものである。

 新聞の機能をすべて否定するつもりはないが、重要性という面において新聞の価値は著しく減退した。それでも新聞に税率軽減の特権を与えた方が良いかについては、当事者たる新聞社の意見ではなく国民の意見をしっかりと聞いて報道するのがジャーナリズムの矜持ではないか。
 食料品他、軽減税率が議論されている品目は少なくない。だとすると、それぞれどの品目を軽減すべきかについてきちんと世論を調査し報道するのが新聞の社会的責任であろう。その調査項目の中に、本来新聞が入るべきかさえ判然としないが、これは調査するものの特権として加えてもいいだろう。

 もちろん新聞社がそんなことはできるはずもない。既に行われている別機関のアンケートで、新聞への軽減税率適用を求める声が非常に低いのを知っているからだ(http://moneyzine.jp/article/detail/207196)。仮に行うとすれば、姑息にも「新聞・書籍」と書籍を同じ群に含めてしまうなどの方法を取るであろう。もちろん両者をまとめても声が劇的に上昇する訳ではないと思うが、おそらく足を引っ張られることになるであろう書籍の方が可哀そうである。
 とりあえず、情報発信者の特権を振りかざして活動する新聞社の横暴に腹を据えかねている人たちは、この軽減税率に関するアンケートをどんどんと行って、新聞が求められていないことを数字できちんと示すべきだと思う。

 さて民意を突き付けられた時、もし仮に財務省との裏取引があったとしても本当に軽減税率を導入できるのか。政治家としてはかなりリスキーな案件となる。そして、軽減税率が導入されないという流れが明らかになった時、新聞社たちはいまのように横一線で消費増税に賛成するのであろうか。非常に見てみたいものである。