Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

GREEの栄枯盛衰

 驕れるものは久しからず。「任天堂の倒し方(http://netyougo.com/slang/8334.html)」を標榜していたGREEも、過剰な課金問題に端を発した社会変化に付いていけずに斜陽の日を迎えつつある。
ついにグリーが赤字に転落 来期予想を開示できず(http://getnews.jp/archives/404941
 一部では、ガンホーエンターテインメントが「パズドラ」のヒットにより高収益を上げているが、私の感覚では一過性のことではないかと思っている。業界全体が新しい道を模索する状況にある折、一時的に成功したとしてもこうしたHITが連続したり長く続くものではない。

ソーシャルゲームは落日なのか? 力押し課金に限界(http://thepage.jp/detail/20130806-00010003-wordleaf
GREEの業績不振は、売上が下がったからではない(http://allabout.co.jp/gm/gc/426265/

 こうした記事にもあるように、如何に上手く課金により儲けるかと言う収益システムは、これまでに事例が少なかったこともあり規制の枠から外れていた。しかしながら、社会としては一部の歪みが看過できないほどに拡大した時にはその修正に向かう。成長中の業界規模を正確に予測することは困難だろうが、急激な成長は相応の抑制を受けることになるのは歴史を見ても明らかだ。特に、生活や産業の基盤たる事業であれば社会がそれを要望するだろうが、あくまで娯楽の一種であり必須のものではないのだから社会としての保護価値は低い。
 GREEの場合は、現状において収益自体が大幅な減少を示している訳ではない(約4%の減収)が、研究開発費や営業経費などの大幅投資が収益の足を引っ張り始めたと言うことである。それは、これまで成長の影に隠れていた問題が顕在化してきたものであるが、こうしたスタイルの変更を模索しているものの現状では効果的な処方箋は見つかっていない。そして、これらはDeNAなどにも共通の問題であり業界全体の問題として理解されている。
 衣服の流行がいろいろと変わっていくように、娯楽の隆盛にも波がある。企業も一時の爆発的な成長を経て安定期に移行する時期が必ず来る。現時点でのGREEに課題は安定期の形がまだはっきりと見えていないことがあるのであろう。

 任天堂でもそうだが、大成功がずっと続くと言うことはあり得ない。同じことはappleにもサムソンにも言える至極当たり前のことである。急激な成長は人々の夢を想起させるが、それ以上に重要なことは継続し続けることだろう。
 芸能界でもそうだが、過度の露出は自分で自分の賞味期間を縮めてしまう危険性を伴いがちだ。むしろ、如何に静かにしかし着実に業績を伸ばしていくのかが肝ではないかと思う。もちろん、常に地道がよいと言うことでもない。拡大期と安定期の移行がスムーズに行えるかどうかが重要なのだ。
 一部の俳優などでは、メディアへの露出を意図的に抑制している人もいる。それにより自らの価値を高めて安定的な成功を手にするのか、あるいは露出の低下が人気の凋落を招くのかはなかなか判断が難しいところではあるが、発信するものが飽きられてしまえば賞味期限が短くなることだけは間違いない。そして、それは企業も同じことであろう。
 サザンオールスターズのように安定したHITを飛ばし続けることが理想の形であるのは間違いないだろうが、それを成し遂げられるのはほんの一握りに過ぎない。

 私達は誰でも、自分が一握りの成功者でありたいと願っている。だからこそ、拡大時に自分が見えなくなりやすいのは当然のことだろうと思う。しかし、己を知ることこそが結果的に大きなものを手にするとすれば、新しい道も模索できるのではないかと思うのだ。