Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

猫ひろし騒動

芸人の猫ひろしカンボジアのオリンピック代表になったことから騒動が広がっている。カンボジアオリンピック協会は猫を代表と決定したが、国際陸連は単純な帰化によるエントリを認めない方針だとも噂されているし、ライバルであるカンボジア人が猫のタイムを大きく上回る結果を残したことも後味の悪さを拡大している。
状況は確かに猫ひろしにとってかなりの逆風だ。現実にはベスト記録を出したカンボジア人選手は協会との仲が悪くてもともと選出の可能性が薄かったとか、カンボジア協会はまだまだお金に左右されるなど様々な噂も駆け巡っているが真偽の程はわからない。
日本でも一部には擁護の声もあるようだが、全体的にはバッシングが大半を占めているように見える。私はと言えば、この問題自体にはさしたる興味はない。ただ、この事件が元でカンボジアにおける日本人の信用が失われるようなことがあるとすれば少々悲しすぎる結末だとは思う。

ところで、ここで一つ大きな疑問があるのだ。そもそも猫ひろしはなぜカンボジア代表に選ばれたのだろうか。帰化の意思を示したとして、それをどのようなルートでカンボジアの協会に示しつなぎをつけたのか。考えてみれば、一介の芸人に出来る事ではない。すなわち、そこには猫ひろしを巡る多くの人間が関わっているという事であろう。
wikiを見れば、カンボジアオリンピック協会がアンコールワット国際ハーフマラソンにて好成績をあげた猫ひろしに声をかけた事になっている。そのことは確かに事実であろうが、単純にその程度でオリンピック代表を外国人に国籍を変更してまで依頼するとは私にはどうしても思えない。
報道などでも、ある企業がそこに関係しているようなものがそろそろ出始めたが、まだ詳しくはわからない。

そこで少し調べてみると、真偽の程は定かではないものの今回の騒動の源流が2009年の『ホリエモン想定外のなんでお前なんだよ!!』という番組にあったことがわかる。この番組内で猫ひろしの売り出しという企画をかねて行ったものであったようだ(参考画像:http://livedoor.blogimg.jp/geinou_channel/imgs/5/8/58b9e372.jpg)。
それを取り巻く様々な様相が語られたりもしているようだが、本当のところは私にはわからない。ただ、それでも番組の企画としてスタートしたという事実があるとすれば、仮に今回の行為が責めを負うべき行為であるなら、その責任は番組を推し進め、その後の企画を進めた、そうした人たちが共同して受けるべきものである。もちろん企画の中心である猫ひろしもその一端は受けるべきであろうが、少なくとも現状のように全てを負うものではないと感じる。その上で、そのこと言い開きしていない猫には心情的に同情を感じている。
その上で、オリンピック代表の座をもし金の力で買ったとするならば、それこそが最も恥ずべきことでもあろう。個人的には猫ひろしのオリンピック出場という単なるネタ程度の事にある程度以上の金をつぎ込むような酔狂を誰かが行ったとは想像しづらい部分もあるが、ただ国家の威信を代弁するオリンピックで国家代表を必ず勝ているという力を持たない外国人に託すとはやはり思えないのだ。

繰り返すが真相は私にはわからない。状況から様々な想像が広がるという事でしかないのだが、今回の騒動を見ていると顛末の責任を猫ひろしに押しつけている幾人かがいるだろうことを考えて、少し気分が悪くなった。

「クリエイティブな番組の企画は自由で柔軟な発想が重要であろう。ただ、日本を国際的な舞台で辱める事まで許容できるものではない。」