Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

さよならam/pm

2011年12月10日に最後まで残っていたコンビニエンスストア「am/pm」の2店舗が閉店した。
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819696E3E0E29CE08DE3E0E3E0E0E2E3E38698E0E2E2E2
平成9年に経営悪化していた「am/pm」をファミリーマートが買収していたのは知っていたし、近くにあった店舗も続々とファミリーマートに模様替えしていた。

あくまで個人的感想ではあるが、コンビニエンスストアの中では食品関係が比較的美味しい方だと感じていた。
まあ、このようなことを言っている時点で私の食事環境の低さを露呈するようではあるが、「セブンイレブン」、「ローソン」、「ファミリーマート」の3強時代にそれよりは好ましいと感じていたのは事実である。
だから、今回のニュースを知って多少なりとも郷愁を感じているところである。

元々、am/pmはアメリカ発祥のコンビニエンスストアであり、ガソリンスタンド併用のコンビニとして始まった。日本では1990年より同様の形態でスタートしたが、ガソリンスタンドとの連携が思うようにはいかずに都心コンビニとしての経営方針に転換した。(wikihttp://ja.wikipedia.org/wiki/Am/pm
特徴としては、「とれたてキッチン」と銘打ったデリカ食品が多く見られたことがあったが、これは都心ならではの方向性だったかもしれない。単なる冷凍食品と言われればそれまでだが、個人的には好きなメニューもあったのだ。
ちなみに、都心は直営であったが関西や九州ではエリアフランチャイズが展開されていたこともあって、一時期関西ではかっぱ寿司を運営するカッパクリエイトが経営権を持つ時期もあって、「am/pm」店舗で寿司やおにぎりがかなりの安値で販売されていた時期もある。弁当も、298円弁当など安値戦略が大きく展開されていた。おにぎりも、基本のそれは確か88円で売られていた。コンビニとしてはかなり安いものであったと思う(美味しいかどうかは別にして)。

結局、ファミリーマートによる買収に合わせて地方フランチャイズも同時に買収され吸収されることとなった。
もっとも、一時期はローソンとの間での買収交渉がかなり進んでいたが、エーエム・ピーエム・インターナショナルとの合意に達せずに流れたなど二転三転した経緯などは覚えている人もいるかもしれない。

兎にも角にも、「am/pm」は日本における20年ほどの歴史を閉じるに至った。
感慨深いと言うほど関わったわけでも何でもないが、妙に心の底に残る何かがあったのでこうして書き綴ってみる。
街中ではコンビニの過当競争も多く、いつの間にか消えては現れを繰り返している。
まるで浮き世の儚さをそのまま演じるような存在ではあるが、少しはその最後に思いを馳せる者がいたとしても罰は当たるまい。

「企業の合併吸収は資本主義の常とは言え、モノトーンに一歩近づいた街並みはやや悲しい。」