Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

婚活と少子化対策

近年は、「婚活」という言葉がよく飛び交っている。

日本の人口減少の最も重要な要因は、結婚しない男女が増えていること+結婚する時期が遅くなっていることにあるのだが。
景気の良い時には、仕事に遊びに忙しくて、結婚などは2の次って感じが、景気が悪くなって収入が減り始めると、就職よりも結婚という形に意識が変化しているのが面白い。

最高の人口抑制対策は、日本という国を貧乏にすることで為し得るのだろうか。

そういえば、景気というのは基本的に循環する。
好況不況のサイクルがあるわけだが、日本の場合には1990年頃のバブルという大きな山を経験したせいで、未だに不況の底を這っている。

確かに不況ではあるのだが、急激な賃金下落やアジア危機の時のアジア諸国に見られるような大規模失業などは生じていない。そういう意味では生ぬるい延命策を施していたとも言えるし、上手く大不況になるのを防いだとも言える。

日本と言う国も少子化が叫ばれて久しいが、それは日本という国が経済的に豊かになるのと歩調を合わせてきた。そう考えると現在の世界的景気の落ち込みは、流れの変化を生じさせるきっかけになるかもしれない。

まあ、そうは言えども出生率は未だ1.3台の後半。アメリカの2.0には程遠い。
だから、今後結婚出産が増えたとしても出生率が2.0を超えることは期待しづらい。

そこで、一つ提案。以前、ある人の日記のコメント欄に書いたことだけどここで披露してみる。

人口減少に大規模な移民を持って対処しようという意見がある。それは、一時的には人口減少を防ぐことが出来るかも知れない。
しかし、同時に宗教や国家間の違いによる社会的摩擦を引き起こすことも少なくない。
それが危惧されるが故に、移民論争は進展を見ないし、さらには外国人地方参政権にも異論が多い。

だから、日本では成人した移民を受け入れるのではなく、世界中に数多くいる親のない、あるいは困っている子供達を受け入れる養子制度を充実させる方が良いのではないだろうか。
子供の年齢はなるべくならば、日本の文化や考え方を吸収できるように5歳以下くらいの小さな子供が望ましい。
受け入れは、日本人で養子を引き受けたい人とするが、その人達には子供を養育するに相当する費用を国もしくは地方自治体が補助する。子供手当と同じような仕組みでよい。
ただし、違法な人身売買になるようなことは避けて定期的な調査を継続する。

そして、彼らは肌の色や生まれは違えども日本語を覚え、日本人として生活してもらう。
最初のうちは差別や偏見もあるかも知れない。だから、政府としていろいろなフォローが必要であろうが、それは大人である移民を受け入れる時に生じるそれよりはずっと小さいだろう。

受け入れ人数は、毎年一定数にすればよい。
そうすれば、一時的な流入ではなくて人口分布にも配慮できる。
そして、肌の色が違う多くの人たちが、お互いにコミュニケーションすることが普通になる国が出来れば、もっと移民制度を拡充しても良いのかも知れない。

世界中で移民を受け入れた国は多くあるが、結果として宗教の違いや生活様式に違いにより従来の自国民と大きなトラブルを生じているケースは少なくない。

まあ、世界からは国家的な人買いなどと揶揄されるかも知れないが、日本に来た以上最低下の教育と生活を保障すると共に、日本人として日本のために生きていってくれるのであれば素晴らしい話ではないだろうか。

東アジア共同体などと言う、異質なもの同士を無理矢理融合させるのではなく、日本という色の中にいろいろな人が入ってもらう。そんな姿があっても良いのではないかと思う。

「文化は目指すものではない。生まれてきたものが文化なのだ。」