Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

コロナ禍による人口減少

 以前私は、ロックダウンによる出産数増加について書いた。短期的なそれは可能性として十分にあると今でも思う。しかし、これだけ長期化すると出産数は逆に大きく減少する方向に行くだろう(焦点:コロナ禍が深めた欧州内の格差、南欧で出産減少 | ロイター)。短期間ならバカンスで済むが、長期間になればむしろ諍いを招きやすくなる。更には、雇用不安に加えて妊婦や乳児の感染リスクなどが重なれば妊娠など考えられない。

 もちろん、こうした状況はワクチンが有効でかつ無害であれば急速に改善される。社会が元に戻るのと歩みを共にしながら、場合によっては反動で増えるなどと言うことも想定できる。だが、ワクチンの効能を多くの人が信用できる至るにはまだ1年近くの時間が必要とされるだろう。すなわち、出産数減少は1年半程度続くと見ている。そしてこれはワクチンが有効でかつ無害であったという前提における想定だ。この後、問題が生じたならば社会がショックを受ける以上の衝撃で妊娠数(出産数)が減少するのではないか。

 

 ここからは妄想に近い想像になるが、元々コロナウイルスは精巣にも多く分布するという情報があった(精巣が新型コロナウイルスの「隠れ家」に? 否定的な見解も | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト)、(患者の精液から新型コロナウイルスの陽性反応、精巣内に長期間潜伏する可能性も | エピネシス)。そこで炎症を起こせば多くの精子が傷つく、あるいは精巣で生産されなくなるという懸念がある。この精子に対する影響(COVID-19の男性生殖能力に与える影響とその可能性について | 不妊治療 京野アートクリニック高輪(東京 港区 品川))はまだ解明されていない。ただ、コロナ感染者の精子が不活性化するなどと言うことがあったとすれば、これは非常に由々しき事態となる。あるいは、他の部位ではウイルスが消えたとしても精巣に永らく留まることがあれば、もっとパニック的な状況になるだろう。不安による妊娠忌避ではなく、性交渉できないあるいはしても妊娠しないという構造的な不妊状況ができてしまうのだから。

 あくまで可能性の話なので注意してほしいが、言い換えれば人類存続の危機とも考えられる。もちろん、まだコロナ感染者は2020年12月初旬に報告されているレベルで世界人口の1/1000以下。検査不足等による確認されていない患者数が仮に5倍程度あったとしても1/200程度であろう。現時点で全体で見て0.5%程度であれば決定的な危機とは言えないが、この状況があと1年続くとすれば患者数はおそらくこの3倍から5倍になるだろう(先進国にワクチンが配布されても、途上国で感染が広がる)。これが1%を超えてくるようなことがあれば馬鹿にならない。

 また、先進国では既に人口の数%が罹患しているところもある(ベルギーでは5%)。もし仮に、感染者の精巣が不活性化したり損傷を受けていたとすれば、とんでもないことではないか。少なくとも出産数が数%の減少を引き起こしてもおかしくない。これは恋愛事情にも大きく左右する。未感染証明書を持っていなければ、付き合いすらできないなんて話になりかねない。短期的な問題ではなく、長期的な問題として社会を揺るがすだろう。

 

 一方で、日本では既に多くの国民が抗体を持っているのではないかという説も出ている(日本人の5割はコロナに「暴露済み」か 集団免疫獲得へ、致死率も低下(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース)。これに関しても、現時点での情報からは正直何ともいえない。当初より近隣種のコロナウイルスに感染した人が多いため、欧米と比べて感染が広がらないという噂はあった。現時点でも、東アジアや東南アジアの感染者数は欧米と比べて非常に少ない。強固な感染症対策を取ったというのはあろうが、それだけでは説明できないように思う。これが本当かどうかを証明することはできないが、ファクターXはそんなところに潜んでいたとすれば面白い。

 逆に言えば、その近接種感染が広がっていたことが理由で日本人(あるいは東アジア人)の出産数が減少したのであれば、これまた大きな問題ではあるが、本当にそうなおかを確認するのは困難である。強いて言えば、一人当たりの出産数が大きく減っている訳ではないので、コロナ近接種に罹患して出産数が減少したと考えるのは早計かもしれない。

 

 さて、経済的な疲弊が続くことでも少子化は加速される。この問題は決して小さな話ではなく、日本や韓国(出生率が0.9を切った)では大きな少子化が社会の存続を脅かしつつあるのだから、しっかりと確認しておいた方が良い。今は、それどころではないというのが実際だろうが、コロナを乗り切っても少子化による社会の疲弊に足元をすくわれれば、これも同じように大きな問題なのだ。死者は増えないが生者が減るのだから。