Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

ダイヤルQ2はネットで復活するか

 新型コロナウイルスの感染爆発懸念より、日本でも実質強制に近いような自粛が繰り広げられているが、私はこの自粛は必要なものと考えており、堀江氏のように厳しい自粛の必要がない(堀江貴文氏が過剰なステイホームにNO!!「通常の感染症対策をして、ふつうに生活しようって前から提案してる」:芸能・社会:中日スポーツ(CHUNICHI Web))とは思わない。もちろん、責任を負うことがないから自由に発言できる話ではあるが、未知のウイルスを怖がることは悪いことではない。このウイルスを根絶するのは無理だと考えてはいるが、治療薬やワクチン等の戦う武器になしに挑むのはまずい。もちろん、恐怖心が過ぎて社会に過大な負荷がかかるのは良くないが、人類の英知による対抗策が出るまではなるべく感染を広げない方が良い。

 現時点で確証ある話ではないが、再感染(あるいは再活性化)の情報(新型コロナウイルスは回復した患者の体内で再活性化も-韓国 - Bloomberg)や、一度罹患すると回復しないダメージを受けるという話(新型コロナの治癒者、肺機能の回復が難しく運動能力が影響を受けるか--人民網日本語版--人民日報)もちらほらと出ている。ここにきて、新型コロナウイルスは呼吸器系の疾患というよりは、体中のあらゆる場所にダメージを与える疾患という印象(新型コロナ、脳に影響も 神経症状の報告相次ぐ - WSJ新型コロナウイルス感染の重症化と血栓症について | さいたま市大宮区の胃腸科・泌尿器科 大宮エヴァグリーンクリニック)が強まりつつある。

 

 さてこのような状況下、多くの芸能人が仕事が消滅したという情報を発信している。音楽や演劇、俳優など幅広い芸能系のアーティストたちも、金銭的に余裕がある人は落ち着いているが、それ以外は損失補償を求めて積極的に活動している状況がある。だが、サービスはニーズがある場所で提供するからこそ利益が上がる。現在、社会として自粛が求められる状況では、それに沿った形でのサービスが受け入れられる。逆に言えば、少なくとも現時点ではこれまでと同様のサービスは環境に適合しなくなっている。その典型はAKBなどに代表される会いに行けるアイドルではないか。会いに行けない状況下では、前提条件が崩れてしまった訳である。

 逆に言えば、この状況(誰もが家に籠っている状況)にマッチしたサービスを提供すれば、成功の道筋も見えてこよう。現在、Uber Eatsが活況を呈ているようだが、これも現在の環境に適合した仕組みであると言ってよい。

 なら、芸能人たちもこれまでのテレビなどの払いの良いメディアだけではなく、ネットを通じたサービスを提供すればよい。既に、Zoom(アメリカでは排除されつつあるが)を始めとした、様々なネット通信システムが基盤として提供されている。私の場合もZoomだけではなく、Teamsなども使ってやり取りしているが、十分とは言えなくとも一定のやり取りは可能になる。

 

 具体的には、ネット回線を使ったプライベートな交流体験を商品として売ればよいのである。昔、アダルトコンテンツとしてダイヤルQ2ダイヤルQ2 - Wikipedia)という有料の電話サービスが用いられていたが、その後は引き続きネットを用いた様々な有料コンテンツ(主にエロ関係)が登場してきた。それと同じように、芸能人とのネットを使った個別(または団体)交流をコンテンツとして販売すれば、それを望む人はかなりいるのではないか。

 もちろん、画像流出や変な噂を流される等のマイナス面が予想されるので、その対策を考えなければならないだろうし、課金システムをどの様に設けるかも重要だ。だが、誰もが暇を持た余すこの時期に、好きな芸能人と何らかの形でつながれると考えたならば、お金を出す人はかなりいるだろう。

 もちろん、プライベートコンサートを開いてもよい。決められたスケジュールに従いネットで自分たちだけのコンサートを独占できれば、その価値は人によれば大きなお金を出すこともあるだろう。要するに、与えられた環境に応じたニーズを把握して、それに従ったサービスをいかに早く提供できるかの勝負となっている。これまでの状態に幻想を抱き続けても、そこに戻るには長い時間が必要だろうし、完全には戻らないかもしれないのだから。

 

 飲食店でも出前の復活がみられるようだが、Zoom飲み会パックとか、いろいろな商品開発も考えられないだろうか。むしろ、これは新たなビジネスのための最高のチャンスだという気がしている。

 人は、正常性バイアスではないが元の状態が最高だと信じ込んでしまいがちである。だが、コロナ禍はそう簡単には収まらない。とすれば、環境に応じた新しい仕組みを作り上げていき、それをどんどんと広げていけばよいだけである。サービスは、それを求める人がいるから成立する。サービス提供の容易さではなく、ニーズの深さを考える時に、先が見えてくるのだと思う。