Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

現時点での政府支援について

 現金給付に対する声が大きいが、資金繰り支援については政府は既に様々な手を打っている(経済産業省 新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ:https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf)が、問題はメディアがそれをほとんど報道していないことがある。これらを見ると既存の制度を大幅に緩和したものが多い。また、ワンストップではないため自分に適した融資・補助制度がどれかわからないというのもあるだろう。また、貸付しかないと敬遠する向きもあると思う。ただ、支援制度自体は欧米のそれよりも充実しているようにも見える。マスク2枚と叩いている人は、きちんとホームページを見たほうが良い。

 PDFのページ数が44ページもあり、読み込むのが容易ではないと思ったので、私なりに個人事業腫やフリーランス、あるいは零細事業に該当しそうな部分を抜き出して書いてみたい。なお、税金やしゃきあ保険、電気代やガス代の猶予制度もある。ただし、ここに含まれない制度もいろいろとあると思う。まずは、何が可能かを調べてみるとよいだろう。

 

〇資金繰り支援(売上高5%以上減少)

 一般保証(2.8億)+セーフティネット保証(2.8億)+危機関連保証(2.8億)

 

〇無利子・無担保融資(直近1か月の売上高5%以上減少)

 運転資金・設備資金(中小事業:3億円、国民事業:6000万円まで)

 据置期間:5年、貸付期間:15年(運転資金の場合)

  金利は国民事業で1.36%→0.46%に引き下げ、他の制度を組み合わせて実質無利子

   ・・・ただし、無利子の場合の国民事業の限度額は3000万円(無利子期間3年)

   ・・・その他さまざまな貸し付けあり

 

〇補助

 ・ものづくり・商業・サービス補助(設備系の投資等)

   ・・・補助上限 1000万、補助率(小規模)2/3

 ・持続化補助(販路開拓、ビジネスモデル転換等)

   ・・・補助上限 50万、補助率 2/3

 ・IT導入補助(テレワーク対応等)

   ・・・補助上限 450万、補助率 1/2

 

雇用調整助成金

 ・労働者の雇用維持を図った場合の賃金補助等

   ・・・100日分(1年)、中小企業の場合助成率90%:欧米よりも高率

 

〇個人向け緊急小口資金

 ・個人事業主 20万円以内(据置 1年、返済期間 2年、無利子)

 ・生活支援 20万/月以内(単身は15万/月)、ただしトータル3か月以内

   ・・・(据置 1年、返済期間 10年、無利子)

 

 これで十分かと言えばそうではないかもしれないが、これにより一時的に事業継続が可能になるケースも多いだろう。数日前に書いた考えは、これをバラバラした制度で行うのではなくワンストップで実施し、その上でダメージの程度に応じて返済免除があることを明示したほうが良いというものであった。

 事業は、一度止めてしまうと復活が容易ではない。繰り返しになるが、将来的にこうした借り入れの一部を免除する方向で検討しているとコメントできれば良いのだが、それには財務省が徹底的に反対するであろうことは想像に難くない。事業によって受けるダメージがかなり変わってくるだろう。それを事前に予測するのは大変困難である。だからこそ、まずは貸付、そしてその一部(場合によれば全部)を返済免除する仕組みが重要ではないかと思う。