Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

コロナウイルスを巡るいくつかの嫌な情報

 世界中がコロナウイルスと戦争をしている。現在、イタリアとスペイン、そしてアメリカが最もホットな戦争地域である(3/31現在で一日当たりの死者数が700人を超えている)が、そのすぐ後にはフランスとイギリスが追いかけており、さらにベルギー、オランダ、ドイツが追走する状況にある。この状況は、これまで築いてきた社会秩序や経済を壊しながら未だ進展している。実質的な鎖国に始まり都市封鎖や外出禁止により、ある程度のところで増加速度が鈍るのは想定できるが、それを緩めるのが難しいのは中国の状況を見ていればわかる。

 このウイルスには、まだわからないことが非常に多い。だが、世界の英知を集めればワクチンや治療薬が開発できると誰もが信じている。今最も大切なものの一つは希望であると私も思う。だが、だからこそ悪い情報には目を背けずに相対したい。ただ、ここで示す情報はいずれもまだ可能性の段階で、検証されたものでないことは強く言及しておきたい。

 

(1)コロナウイルスは、17日間空気中(正確にはモノの表面)で生存する可能性が示された(新型コロナ ウイルス17日生存の可能性 クルーズ船客室内 米CDC報告(毎日新聞) - Yahoo!ニュース)。これまでは、数時間から長くても数日と言う情報だったように思うが、一気にそれが増加した様に思う。

 ノロウイルスが、おおよそ2~3週間ほど生存する(最大では1か月条)とされているが、それとそん色ない生存期間である。必要なこととは、徹底的な除菌(正確には除ウイルスだが)と手洗いしかない。

 ただ、飛沫どころか呼気による感染があるとすれば、満員電車でもっと早く感染拡大が生じていてもおかしくなかった。三密の条件が揃えば飛沫や会話等でも感染することもあるが、最大の感染源は接触によるものではないかと個人的には感じている。ちなみに言うと、三密ではわかりにくいので、ネット上では次のような標語が良いとも言われている(https://anonymous-post.mobi/archives/22209)。

やってはいけない事はシューキンペイと覚えよう
集:多数が集まるのは危険
近:近くで話したり歌うのは危険
閉:閉鎖された換気の悪い場所は危険

  繰り返しになるが、感染拡大に対応するためにはマスクと小まめな手洗いが最適である。

 

(2)コロナウイルスは再発する(中共ウイルス 陽性反応がぶり返す理由)。以前から一旦発病した後、回復してPCR検査で陰性になった人が再陽性になったという情報は、世界中で報告されてきた。その理由として最も考えられるのは、PCR検査で測定できる感度以下のウイルス量にまで減少するが、その後再び増加して陽性反応が出るというもの。もちろん、再度他者から感染するという可能性はある。だが、いずれの場合にしても十分な抗体ができていないことを意味する(新型コロナ再発を調査=「抗体効かないなら非常に重要」―加藤厚労相|最新ニュース|時事メディカル)。サルによる動物実験では抗体ができたと中国のレポートがある(「感染で抗体できると再感染せず」 中国のチーム、サルで確認 新型コロナ - 毎日新聞)が、十分な抗体ができない段階で一旦症状が収束する可能性が考えられる。この場合、免疫力が低下すると再度発症することになる。

 また、アイスランドでは2種類の新型コロナウイルスに同時感染していたという報告もある(<中共ウイルス>アイスランドで二重感染者が確認 ウイルスが突然変異)。いくつかのソースは大紀元なのでどれだけ信ぴょう性があるかは不明だが、トータルとしては少ないが再発のニュースをたまに耳にするようになってきた。インフルエンザウイルスのようにいくつかの型が生まれ、それぞれ免疫が異なるため複数の型に感染する危険性もある。だが、現状ではそれほど大きな変化が生じているという報告はほとんどない。

 最後に以前にも書いたが、ヘルペスウイルスのように神経細胞内に入り込み根治が不可能になるのかどうかは現状では何とも言えないが、あまり楽観視はしない方が良い。未知のウイルスなのだから。

 

(3)コロナウイルスは精巣にダメージを与える(湖北省政府、中共ウイルスが男性の生殖機能に影響の恐れ 検査呼びかけ)。コロナウイルスが人間の細胞に侵入するために細胞にあるACE2受容体とCD147に取り付く(新型コロナウイルスの感染のしくみとお薬などについて書いてみた - 生物学博士いいなのぶっちゃけていいっすか?)とされているが、このACE2は精巣にもたくさんあるとされている。

 コロナウイルスがどのようにして精巣まで到達するかは今のことろ不明だが、それにより精巣に炎症が生じてしまうことは予想できる。感染者全てでこの影響が出るのか、回復後に修復可能なのかは今後の検証を待たなければならないが、最悪を考えると精巣に致命的なダメージを受け、子供を設けるのが難しくなるということも考えなければならない。

 若い人は感染しても軽症だと甘く見ている(【速報】感染者7割近くが50歳未満 東京78人の内訳判明|FNNプライムオンライン)と、将来的に後悔しそうな不味い状況だろう。

 

(4)現在出ている治療薬にも、様々な悪影響がある()。現在、効果があるのではないかと考えられている薬がいくつか存在する。そのうちのいくつかは、臨床試験済みのもので副作用についてもある程度把握されてはいるが、新型コロナへの使用は目的外であるため、想定するものとは異なる悪い結果が出ることも想定される。

〇ヒドロキシクロロキン(商品名:プラケニル)は元々抗マラリヤ薬であるが、現在アメリカ政府が緊急使用に向けて進み出した(抗マラリア薬緊急使用、米当局が認める-コロナ治療でトランプ氏期待 - Bloomberg)。だが、この薬は免疫を抑制する薬のため早期に使用するとかえって抵抗力を弱めてしまう可能性があるようだ(新型コロナウイルスの感染のしくみとお薬などについて書いてみた - 生物学博士いいなのぶっちゃけていいっすか?)。実際、欧州で使用したがかえって副作用により悪化したという報告も出ている(「深刻な副作用も」 新型コロナ、期待の治療法に警告 仏薬事監視当局 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News)。一方で、効果があるという報告も多数出ており(マラリア治療薬で症状改善 国内の新型コロナ患者に投与 - 産経ニュース)、適切な処方について手探りで調べている最中である。おそらくは、重症化した患者への使用ということになるのだろう。

〇ナファモスタット(商品名:フサン)は膵炎用の薬であるが、東京大学の報告でコロナウイルスにも効果があるとされている(新型コロナに急性膵炎治療薬=感染阻止、臨床研究へ―東大|最新ニュース|時事メディカル)。感染阻止を行うための薬のため、これにより改善するものではない。改善を図る薬との併用が求められる。

〇ファビピラビル(商品名:アビガン)は新型インフルエンザに対抗するための薬として開発された。薬効は、ウイルスのRNA(リボ核酸)が増殖するのを阻止するものであり、早期の使用が効果的である。これは既に日本政府が企業に増産(富士フイルム、承認目指し新型コロナに「アビガン」の国内治験開始へ:日経バイオテクONLINE)を依頼している。ウイルスの増殖を抑制するという意味でおそらく高い効果があるが、逆に人体のRNAを用いた通常の活動にも影響を与える可能性がある。その最大のポイントが子供への影響だが、それ以外にも副作用が生まれないとは限らない。

シクレソニド(商品名:オルベスコ)はステロイド系の喘息薬である(コロナ治療薬「ぜんそく薬」に期待が高まる根拠 | コロナショックの大波紋 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準)。効果を発揮するメカニズムはよくわからないが、既存薬の中でも最も副作用が発生する危険性が低いとされている。今後の治験結果に期待が高まるが、どのような状況で効果を発揮するかが確認されるまでには時間がかかる。

 

(4/2 9:00追記)

〇ワクチンは有効な対処法とされるが、それが社会に普及するには通常1年以上かかるとされる。さらに、不完全なワクチンが用いられた場合には症状が劇症化する危険性もある(ADE[抗体依存性感染増強]:ワクチンが効かない? 新型コロナで浮上する抗体問題 (写真=ロイター) :日本経済新聞)ので、急いで使用するわけにもいかない。