Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

コロナと恋愛と出生率

 昨晩(3/13)のアメリカの株価は、トランプ大統領が国家非常事態宣言(トランプ大統領 国家非常事態を宣言 感染拡大を受けて | NHKニュース)を出したことを好感し、前日下げた分をほぼ取り戻したと報道されている。だが、実際には非常事態宣言を好感したのではなく、イタリアやスペインで一部銘柄に空売り制限が入ったこと(イタリアとスペイン、一部銘柄の空売り禁止-前日の記録的急落で(Bloomberg) - Yahoo!ニュース)、売り方のショートカバーが加速したこと等が実際ではないかと思う。まあ、相場も経済も不安定なままなので、ボラティリティが大きな状態は当分続くだろう。

 しかし、毎度シリアスな話を書いていると疲れるので、今回はお気楽で少しジョーク要素が強い内容としたい。だから、書いてあることについてあまり批判しないようにお願いしたい。

 

 武漢ウイルスの広がりは、留まるところを知らない。WHOは今や欧州が感染の中心となった(「今や欧州がパンデミックの中心地になった」WHO | NHKニュース)とまで言及したように、イタリアで始まった急速な感染拡大は、スペインやフランス、ドイツにまで広がり、都市封鎖や国境封鎖にまで話が及んでいる。下世話な話ではあるが、ネットポルノサイトであるPornHubが全土封鎖されているイタリアにおいて、プレミアムサービスを無料提供するという記事(人気ポルノサイトPornhubが新型コロナウイルス流行による全土封鎖中のイタリアで「プレミアムサービス」を無料提供 - GIGAZINE)が出ていた。外に出ることも、人に会うこともできない状態は、ラテン系の独身男性には耐えがたい状況を見かねたというべきか、あるいはこれを機会に将来的な会員増につながると考えたかはわからないが、面白い試みである。他にも似たような情報が出ている(CNN.co.jp : 性的な玩具販売が急増、感染阻止の封鎖が原因か)。ポルノではないもののゲーム等の提供は、より大きな都市封鎖を行っていた中国でも見られた(【高論卓説】新型肺炎で外出できない中国消費者 暇つぶしはネット、ゲーム関連株も急上昇 (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト)。日本でも一斉休校を受けて、学習教材等が無料公開されている(新型コロナで全て無料開放、学びとエンタメのサブスク必見まとめ | Business Insider Japan)。

 

 さて、感染が収まり始めるまでは生きていく上で最低限のケースを除き、容易に外出できない状況が続く。イタリアの状況は、欧州全体に広がっていくだろう。すると何が起こるか。これはいろいろな場所でも出ている話だが、規模かつ長期的な停電が生じた時には出生率が増加する(1965年北アメリカ大停電 - Wikipedia)と言われている。もちろん正確な調査が行われているとは限らないが、オランダでも増加したとの報道はある(停電で「ベビーブーム」、出生数が44%増加 オランダ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News)。いずれもそれほど長期間の話ではないので、仮に一時的な出生率が増加しても、年間で均すと誤差にしかならない。だが、今回の都市封鎖中に、人々は何をして過ごすことになるのであろうか。

 1か月ほど封鎖があった場合、さらにそれが欧州中で続いたとすれば、上記オランダの例に準拠して40%近く出生率が伸びたとしよう。すると、年間でも3~5%ほどの出生率の伸びが生じることにある。また、封鎖が緩められたとしても感染の広がりを抑えるために数か月は、何らかの移動制限があることも予想できる。これは何ら調査や計算に基づいたものではないが、10%近くの出生率の伸びがあっても驚きはしない。

 だが、これは既に夫婦であるケースが対象である。恋人同士が頻繁に会うようになることはなかなかに想像しがたい。同棲しているのであればともかく、距離がある場合にはむしろ会えなくなってしまう。もちろん、ネットを使ってのコミュニケーションは可能だが、人の恋愛というものはバーチャルだけで満足できるとは限らない。今の時代にプラトニック(プラトニック・ラブ - Wikipedia)は人々の欲望を満たせないのだ。

 

 だが、会えないことによる効能もあるのではないかと考える。普段の生活では、仕事に追われ恋愛のことを考えない、忘れようとするケースも少なくない(忙しい男に注意〜ワーカホリックは人生最高の逃げ道〜 | 幸せの数式)。だが、突然の在宅勤務、自宅待機、あるいはテレワーク、さて、職場にいた時ほど仕事に没頭できるかという問題である。同僚との軽い無駄口もたたけない。ネットを通じての成果の無機質なやり取りが続けば、リアルな触れ合いを欲しくなるのが人というものではないだろうか。

 それでも、コミュニケーションはネットを通じたやり取りのみ。メールやチャット、あるいはTV電話など最低限のコミュニケーションは可能だが、それ以上はお預けをくらう。私は、こんな時こそ恋愛脳が開花するのではないかと勝手に予想している。自分一人で考える時間が長くなり、しかも時間的な余裕があると、思い込みにより恋愛に関することを造像しやすくなってしまう。仕事や、その他のレクレーションにより考えずに済んでいたことが急に意識の中心を占め始めるのである。

 もちろん、皆がそうなるというつもりはない。むしろ一人の方が仕事がはかどるタイプや、他の趣味に没頭できるという人もいるだろう。だが、同じだけ以上に恋愛面に意識を振り分け始める人がいてもおかしくない。そして、いろいろと思いを巡らせるのに確認するために直接会うことができない。

 まあ、私の考え過ぎというか、こじつけとも言えるのだが、封鎖が終わった後に突如として付き合い始める、あるいは結婚へ移行する人が増えるのではないかと考えたりもする。

 

 今回のコロナ災厄は、人的だけでなく経済的なダメージもあり、世界を大きく痛めつけるのはほぼ間違いがない。だが、その中でも少しでも良い側面を見いだせるとすれば多少は痛みも軽減できる。人口減、そしてその前提としての恋愛不足に悩む日本としては、むしろ封鎖をした方が未来に向けて良い結果が得られるのではないかと考えると、少し複雑な気持ちになった。まあ、三段論法的なこじつけであることは最初からわかっているのだが。