Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

武漢肺炎の終息を予想する

 世界中で新型コロナウイルスによる感染症の広がりを、「武漢肺炎」あるいは「武漢ウイルス」と呼ぶようになりつつある(麻生財務相「武漢ウイルスというのが」「武漢ウイルスなるもの」「武漢ウイルスが...」 国会、会見で連発 : J-CASTニュースポンペオ米国務長官「コロナウイルスは武漢が発祥地」(WoW!Korea) - Yahoo!ニュース)。発生源を誤魔化そうとする小賢しい中国の蠢動をけん制するのが目的だが、同時にこの問題がまだまだ終息しないという認識があるのがうかがえる。

 欧州での広がりは、多くの人の予想を大幅に超えるスピードかつ深刻さをもって進んでいる(イタリア 感染者が1万人超える 新型コロナウイルス | NHKニュース)。特に、韓国と同じように医療崩壊に陥ってしまったイタリアでは、60歳以上には人工呼吸器を使わないという日本では信じられないようなトリアージトリアージ - Wikipedia)すら行われている(新型肺炎でイタリア医療崩壊「60代以上に人工呼吸器使わず」(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース)。スイスやドイツは日本と同様の重症者のみをPCR検査する方向に舵を切っている。韓国は、当初掲げた全数検査という馬鹿げた手法の誤りに気付き、今は重症者のみの検査に方向を変え感染者数の報告が一気に減少したが、その間に広がってしまった新たな感染経路をもはや追えなくなってしまった(ソウル市内コールセンターで集団感染が発生、64人確認 「今後、さらに増えると予想」(WoW!Korea) - Yahoo!ニュース)。初期対応のツケがここにきて響いているようにも見える(首都圏病院の相次ぐ閉鎖、米国・欧州患者の急増…油断している場合ではない : 東亜日報)。

 

 もちろん、日本とて安穏としていられるわけではない。次々に小中規模クラスターによる感染拡大が発見されている(国内感染者 新たに59人 大阪や愛知などで相次ぐ(フジテレビ系(FNN)) - Yahoo!ニュース)。おそらくではあるが、既に感染者は公表されている数の5倍から10倍はいるだろう。ただ、今となっては感染者数には大きな意味はない。それよりも重症者数や死亡者数を如何に抑えられるかが最大の目的となっている。その上で、仮に感染者数が公表されている数字の10倍(CNN「日本のコロナ感染者は氷山の一角…実際は10倍」(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース)であったとすれば(587×10=5870人となる)、死亡者数が12名(3/11 12:00現在)なので致死率は0.20%となる。これは数字のお遊びで実質的な意味は持たないが、それでも致死率の低さは際立つことになる。日本は死者数も少なく見積もっているのではないかという意見もあろうが、それでも報告数の10倍を超えるとは思えない。院内感染が危惧されるのに、そんな適当なことが病院で行われているということはさすがにない。陰謀論は、ほどほどに身内で楽しむのが丁度良いものである。なお、今年のインフルエンザ罹患者数(新型肺炎の対策効果? インフル、低調に推移:時事ドットコム)は2月に入るころから相当に減少しており(https://nesid4g.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data4j.pdf)、同時に肺炎で亡くなる人の数も例年に比べて特に増えている訳ではない事実は抑えておいた方が良い。コロナウイルスの広がりによるプラスの効果というべきか。(3/15追記:インフルその他の感染症が減少していないという情報:新型コロナショックでこの冬のインフルエンザ感染が激減してますが、冬の定番、ノロウイルス感染は変化があるのでしょうか?に対するSakuragi Junichiさんの回答 - Quora

 イタリアでは現状の報告で6%近い致死率になっているが、医療崩壊を起こしたとしても少々高いのは気になるところだ。一部には、L型、S型という2種類のタイプがあるという噂(新型コロナウイルス、L型とS型の違い 中国、種類によって感染力に差 | 医療 | 全国のニュース | 福井新聞ONLINE)もまことしやかに出回っているが、私はそれ以上にいろいろな方が既にウイルスの変異により生じていると見ている。致死率が高いものが出てきているのかどうかは、じっくりと見極めなければならない。

 

 さて、一方の中国では習近平主席が武漢に入り、高らかに事態の収束をアピールしている(CNN.co.jp : 習近平氏、ウイルス発生地の武漢を訪問 事態収束をアピール)。既に予想されていることではあるが、中国の目論見通りに表面上は推移している。習近平主席は早期の社会活動の再開も示唆している(中国、一部で緊急レベル引き下げ 新型ウイルスの国内感染者減で - ロイター)。ただ、その掛け声とは裏腹に簡単にはいくまい。まず、仮に本当に中国で収束がみられても、今度は世界的に感染の広がりが生じていること。サプライチェーンが寸断されてしまえば、中国のみが生産再開しても意味がない。そもそも、無理やり収束したように見せかけている可能性が高い状況で、誰も元のような経済活動ができるとは考えていない。

 現時点では不明な点が山ほどあり、推測することは正直困難だが、あえてここで今後の推移を予想してみよう。

1)中国の生産再開:一定の範囲で再開が進められるが、かつての30~50%程度に留まるのではないか。その上で、再度の感染拡大が出てもそれを隠そうとするだろう。彼らは再生を演出しようとしている。仮に再度感染が広がった場合も、「外国から持ち込まれた」と強弁する。特にターゲットは日本と韓国になるが、現状では韓国の方が不利だろうか。

2)オリンピック:来年の夏に延期(以前予想したのと同じ)。仮に日本が落ち着いても、世界中が混乱したままでは開催できない。特に、今後は途上国での蔓延が問題になるだろう(欧州も容易には終息しない)。無観客はIOCも困るので、延期が妥当な線ではないか。来年に実施できるかは明言できないが、そのころにはワクチン等も出ているように思う。

3)最終的な致死率:現時点で欧州のそれが高いように思えるが、平均すれば1~2%の間になるのではないかと思う(当初は1%程度と考えていたが、もう少し上がると変更)。

4)経済への影響:リーマンショック級をどの程度と考えるのかは難しいが、相当する景気悪化は間違いなく発生する。今回のは人の交流が滞ることで、じわじわと真綿で首を絞めるように世界中に広がる。個人的には株価の下落スピードはリーマンショックに負けるものの、下落率はそれほど変わらない程度になるのではないかと予想する。ただし、株価の回復はワクチンや治療薬の開発により、実態社会に先んじて劇的に生じる。ただしその時に実体経済がどれだけ痛めつけられているかにより、反応は変わるだろう。

  以上のことを考えて、今年の秋~冬ごろまでは様々なトラブルが散発的に生じるだろう。その後治療薬等の開発が進み、その期待も含めて経済が再び回り始める。散発的な感染は引き続き発生し、この感染症はインフルエンザのような季節性の病気として定着する。高齢者には厳しいが、若い人は適切な治療をすれば十分に回復できるものとなっていく。キーになるのは治療法や治療薬である。

 これも以前予想した通りだが、世界的な致死率と比較して日本の致死率は半分かそれ以下になる(治療薬ができれば上記予想の1/5~1/3に致死率は低下)だろう。この感染症を封じ込めることはできないが、インフルエンザよりは少し厄介な病気として、今後は寒い時期の一般的な流行病に名を連ねる。正式名称に地名は用いられないが、一般呼称は中国の反対にも関わらず「武漢ウイルス」あるいは「武漢肺炎」が定着する。

 

 それほど目新しいことを書いてはいない。ただ、ポイントはこの病気は中国の様な強権でない限り封じ込めることができない点、でも対応する治療法はきっと開発されるだろうことを考えると、今まで示したような結論が想像できる。マスコミは騒動が飯の種なので来年も騒ぐだろうが、人々の関心からは徐々にフェードアウトしていく。こんなところではないか。