Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

ウイルス潜伏の可能性

 以前から可能性は指摘されていたが、コロナウイルスに再感染した人の事例が公表された(新型コロナウイルスの感染から回復した人が再び感染 中国 | AbemaTIMES)。ここで考えられる可能性は二つ。まずは、陰性になったもののウイルスが不活性化して潜伏しており、その後再び活動を開始したという可能性。この事例に似た動きをするウイルスとして単純ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス - Wikipedia)がある。一度感染すれば、神経節などに潜伏して現代の医学では対処療法はできても根本治療ができない。一旦症状は治まっても、疲れ等により免疫力が低下すると何度でも再発するというものである。

 もう一つは、異なるコロナウイルスに罹患したケース。インフルエンザと同様に、いくつかのタイプの型があり、片方の免疫を獲得しても異なるタイプには効かないというパターンである。その他にも、今回のコロナウイルスが免疫系を破壊するか、誤魔化すなどの働きをして免疫ができないのではないかという意見もあるようだが、かなり特殊な可能性のように思えるので、現時点ではそれを考察はしない。

 

 二つ目(異なるウイルスパターン)の可能性については、一時期に動画で何度も見かけた突然倒れる事例について調べた時に確認した、アナフィラキシーショックアナフィラキシー - Wikipedia)や抗体依存性感染増強(ADE)などの可能性も含んでいる。もちろん、二度目の感染でいきなり重症化したという情報はないので、現時点ではこれを結び付ける根拠はない。すなわち、インフルエンザと同様に同程度の症状が出る可能性の方が高いと考えるが、今後の情報を待ちたい。ただ重症化がなかったとしても、下手をすればインフルエンザよりも感染力が高く(新型肺炎感染力、想定以上の「再生産数」 分析相次ぐ :日本経済新聞)、致死率も高い病気が毎年蔓延する可能性が出てきたことになる。これは正直人類にとって恐ろしいことである。ワクチンや治療法の早急な開発が望まれる。

 次に一つ目の可能性だが、仮に再発の可能性があるとすればこれは更に由々しき事態となる。完治させるための手段を見つけなければ、ストレスや過労などの免疫力低下により、何度も肺炎になってしまうということなのだから。画期的な治療方法が見つかればよいが、ヘルペスウイルスですら完治が望めない現状で、完治の処方箋が容易に可能となると考えるのはかなり難しいだろう。もちろん、現在よりも感染状況を確実に見抜ける検査法が開発されれば、陰性という判断をされることはなくなるかもしれないが、一生キャリアという重荷を背負うことになる。

 このようなケースは、ウイルスではないが結核結核 - Wikipedia)などが似たような状況と言えるだろう。ちなみに結核を原因とする平成30年の死亡数は2,204人とされ、人口10万人当たりの罹患率は12.3とされている(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000175095_00002.html)。罹患者数は37,134人であることから、単純に計算すると致死率は約6%ということになる。同じようなことが、より感染力の高いウイルス(日テレ新型コロナ3人が感染疑い 社員2人と常勤制作会社社員1人が自宅待機(東スポWeb) - Yahoo!ニュース)で生じると考えたなら、致死率がこれよりも低かったとしても悪夢と言うしかない。社会復帰が困難な人を量産するかもしれないのである。

 

 まだ、公式で信用できる分析が出ているわけではなく、ここではあくまでも可能性についてのみ触れている。デマを広げるつもりもないし、危険性を煽るつもりもない。世界的に感染が広がることについては、当初より中国の状況から見て感染力が高いことが予想できた。日本での広がりも予想範囲内(新型ウイルス 石川県で初の感染確認 県職員の50代男性 | NHKニュース)であり、また政府の努力は一定量評価しており、部分では足りないと思う面はあるがやむを得ないと私は考える。政府を叩いても、ウイルスは根絶できない。ただ、ここからは感染の広がりを抑制する対策と共に、より正確な検査方法や治療方法の開発が何よりも望まれることになるだろう。

 また、この感染症に特化した形での社会変化を真剣に考えていかなければならない。一つには貿易や交流の量的な低下がある。一部イベントの自粛(相次ぐイベント自粛 オリ・パラ関連も影響―新型肺炎の拡大警戒:時事ドットコム)は始まっているが、マスク程度では感染を防げないのは、クルーズ船の状況で分かった(新型ウイルス クルーズ船で業務 厚労省職員ら2人感染確認 | NHKニュース)。マスクよりも手洗いやうがい、その他除菌スプレーなどの活用が効果的であると個人的には理解している。例えば公共空間では常に除菌していく習慣を常識化する(そのための方法論やシステムを決める)ことや、人が接しない形での会議形式の構築など、考えておかないといけないことは多い(追記:既に政府より各種団体にイベントにおける注意喚起等はなされているようである)。

 

 私は人類の英知を信じているし、日本人の底力も信じている。きっと良い解決方法を見つけるだろう。ただ、それまでの期間を稼ぐことが何より重要である。運よく、夏季になればウイルスの活動が低下するかもしれない。ただ、シンガポールでの感染の広がりを見る限り、甘い期待をしない方が良いだろう。

 今後、各国で感染の広がりが明らかになったと出てくると思う。だが、私たちが中止しなければならない問題はその先にある。