Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

満足してしまった韓国

 韓国の理不尽とも思える日本への接し方に憤慨している人も多いだろうし、だからこそ嫌韓などという一つのジャンルが生まれたと感じているが、それでも最近の韓国を見ていると迫力が10年以上前と比べて低下している気がしている。昔から日韓のスポーツ対戦における韓国の執念を知っている人ならわかると思うが、最近の韓国の対日戦における執念には迫力がなくなった。この前の野球の国際大会であるプレミア12を見て、特にそう思うようになった。もちろん、韓国メディア上では日本に対する威勢の良い意見が飛び交っているが、どちらかと言えばはったりに近い口だけのもので、実行を伴っていないと感じている。必死さが消えたのだ。

 それは、日韓の経済的な葛藤を見ていても同じ事を感じている。韓国の日本に対する反発が実行をほとんど伴わない、あたかもファッション的なものに変化しているように思うのである。もちろん、そんな口だけでも日本人としては腹が立つのは間違いない。だが、正直子供もいたずらや我儘レベルに落ちてしまい、真の意味で韓国を脅威と感じることが難しくなっている。正直、子供の喧嘩レベルであり、根拠もなく見通しすらない場当たり的な行動には日本政府としても困っているだろう。以前は、経済的な実力が日本と比べて低かったが、その志は日本も一目置くだけのモノがあった。しかし、経済力が大きく向上した現在、むしろ志の部分で日本人が腰を引くことが減ってきた。その傾向は文政権になって特に加速している。

 

 まあ、こんなことを言っても日本自体の国際的な競争力もGDPシェアを見て分かる様に大きく落ちているので、韓国以上に停滞していると考えられる。ただ、韓国は日本に追いつけ追い越せでものすごい力を発揮してきた。日本から技術を得て(時には教えを乞い、時には盗んでさえ)自分たちの地位向上に努力してきた。これは、日本の場合にも欧米に追い付け追い越せの精神で高度成長期を築いたのにも似ている。

 日本は一時期(バブル期)「ジャパン アズ N0.1(ジャパン・アズ・ナンバーワン - Wikipedia)」の夢に酔いしれた。その後、バブル崩壊によりメンタルを叩き潰されたわけだが、少なくとも当時の日本の勢いは世界有数であった。日本の場合には、そのトラウマ故に迫力(エコノミックアニマルと呼ばれるほど)を無くしてしまい、当時の世代が完全に引退し、少なくとも代替わりするまでそれを打ち破れないのだろうと思うが、韓国はそこまで至る前に奇妙な満足を覚えてしまったように感じている。

 

 韓国の目先のライバルは、昔も今も明らかに日本である。現在の韓国では日本のことがあまり話題にならないという意見もあるが、それでもライバルは中国でもアメリカでもない。それは産業を日本から移植されたこともあり、経済形態が似ていること、先進国として先に国際的地位を得ていたことが理由である。そして、日本バブル崩壊による引きこもり時期に加え、円高という自爆プレイに助けられ(そこにはアメリカの戦略もあっただろうが)、サムスン他、いくつかの企業は明らかに日本企業を超えた。もちろん全体としては「永遠の10年(永遠の10年説 | ほーんとに余計なことbkr...)」と言われるように日本を越えられないままに時間が経過しているのだが、メディアを中心に「もう日本は敵ではない」というキャンペーン的なものが繰り広げられ、彼らのルサンチマンの一部は解消されてしまった。反日本が韓国では見かけないと言うが、一つには日本には既に追いついたという意識があり、もう一つには教育システムに反日本的な活動が既に組みこなれていることがある。韓国は反日、日本は嫌韓というのが典型的な両国民の心理を表していると見てる。

 彼らが日本に追いついたと感じた時期以降(ここ10年ほど)、彼らの日本に対する迫力は大きく低下したとみている。問題は、心理的には日本を上回ているはずなのに、実情は依然日本に負けているということであろう。そのギャップを埋めるために、様々な心理戦(正確には日本に対する嫌がらせ)をして自分を慰めているように見える。それでも彼らは、既に心理的には一度満足してしまっている状況。それ以上のモチベーションに欠けるにも関わらず、それを奮い立たせるため難癖をつけるしかない。

 

 無視し、卑下したい日本があり、その気持ちを満足させるために心の中では日本の存在を低く見ている。しかし、何かに付け日本が目の前の壁として立ちはだかる現実がある。それにかんしゃくを起こしているのが現状。そうした傾向を典型的に見せてるのが文政権の面々である。

 だからといって日本が韓国に情報する必要はない。彼らは十分成熟した国家であり、大きな経済力も既に手にしている。日本としては譲歩ではなく対等の存在として扱うのが正しい選択。そして理不尽な注文に対しては、折れることなく堂々と交渉するなり無視するなりすればよい。それは韓国の自尊心を満足され憎み立てられた、現実を十分に把握しない虚構により巻き起こされてるのだから。