Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

韓国経済封鎖への一歩

 チョ・グク氏の法相辞任(韓国チョ法相 辞任を発表 ムン大統領の政権運営に打撃か | NHKニュース)や天皇陛下の即位礼の儀における総理派遣(韓国首相 祝宴で天皇にあいさつ=「日本国民の幸せ祈る」-Chosun online 朝鮮日報)などにより、短期的には文政権の反日的な行動が鳴りを潜めているが、基本的には状況は何も変わっていない。

 GSOMIAについてもギリギリの段階で破棄を凍結(韓国政府 GSOMIA破棄停止し延長を発表 - FNN.jpプライムオンライン)し、一部メディアや識者のコメントでは韓国が実質的に膝を屈した的な報道がなされている。確かに今回の出来事は、韓国の素人政治的な側面が赤裸々に表出した典型例ではあるが、現状を俯瞰的に見ればGSOMIAを維持しようが破棄しようが、韓国とアメリカ、そして日本を取り巻く状況はそれほど大きく変わるものではない。要するに、韓国はアメリカから離れようとしており、その理由づけに日本を利用し続けていること、今後もそうし続けることについては何の変化もない。逆に言えば、反日はそれを正当化するための空気づくりに利用されている。

 

 今回も、アメリカの怒りの程度と国内の支持状況を勘案し、現時点でのGSOMIA破棄を一時的に留保・延期したと考えるのが妥当ではないかと思う。ちなみに言えば、韓国が主張する破棄の留保(いつでも破棄できる)は国内向けのいい訳であろう。こうした手続きは恣意的な運用を許すようにはされていない。GSOMIAは単純に更新されたのであり、その効力は次の1年間は自動的に継続される。強いて言えば、「次の更新時期は韓国が再び駄々をこねるぞ」と宣言しているに過ぎない。

 それ以上に、文大統領とすれば早く破棄したかったものではあるが、アメリカの圧力と今後の選挙を考えて一時的に先延ばしした程度。その裏では中国との軍事協定締結に向かい議論が進められている(中韓、5年ぶりに国防戦略対話=協力強化で一致-北京:時事ドットコム)。これが確固たるものになれば、容易にGSOMIAを破棄する可能性すらある。すなわち時間稼ぎという訳だ。ただ、中国が韓国の戦略的な価値をどう判断するかはわからない。GSOMIA破棄は日米韓の連携にひびを入れることに違いなく、そうした離間策は以前からずっと行われている。そして、韓国を同盟から引き離すことができれば、日米に与えるダメージが大きいというのもその通り。特に、日本は韓国と言う緩衝地帯を失うデメリットは大きい。それでも、韓国を失うというデメリットは覚悟さえ決めれば許容できないものではなかったりもする。

 すなわち、その道は一歩間違えれば日本の自主防衛の拡大につながりかねないので、中国としても慎重に推し進めたいところ。そうした流れを生み出さないために、日本国内の反政府勢力を焚きつけること(防衛力強化を反対する運動)は並行して行われ続けるだろう。私が中国の立場なら、韓国を中国の同盟には引き入れたくはないが、日米連携のお荷物として邪魔をするためのカードとしては最適だとみる。仮に韓国を近づけるのであれば、北朝鮮を抑える役割として利用すること。できれば、北朝鮮の面倒を韓国に見させる。ただそれは容易ではないので、今は餌をちらつかせて、韓国を振り回すことだろうか。

 

 どちらにしても、アメリカも日本も韓国がブルーチームから離れようとしていることについては既に十分認識している。面倒ではあるが手元に置き続けたほうが良いか、それともマイナス要因の方が大きいために手放すか。その検討は常に考えられていると思う。要するに、韓国が思うほどに米韓同盟の結束は固くなくなりつつある。トランプ大統領のせいもあるが、それだけではないだろう。朝鮮戦争の退役軍人の声が小さくなれば、一気に距離が広がるのではないか。もちろん手放す際には、韓国にある資本や富は徹底的に召し上げる。これは既定路線である。これまでは面倒で厄介な韓国の尻拭いを日本に押し付けてきたが、日本が明確に拒絶し始めたことも大きいだろう。面倒ごとが増えて担当者は頭を抱えていると思う。

  さて、韓国はGSOMIAの破棄を取りやめ(韓国からすれば「終了を一時停止」なのだろうが)たものの、現政権にとって間違いなく国内的なイメージダウンにつながった。その結果行うことは、今まで以上の反日活動と考えるのが妥当であろう。いつものことではあるが、今回も大統領のメンツを立ててほしいと裏で交渉していたであろうことは間違いなく、これ以上我慢ならないとそれをほぼ無視した日本政府に対して裏で相当に恨みを募らせていることだろう。我々からすれば勝手に拳を振り上げ、降ろす理由を用意しろと言われても対応しようもないのだが、彼らにはそれが常識になっている(日本のメンツは一切顧みないにもかかわらず)。

 だが、今回メンツをつぶされる形になった韓国政府首脳部の恨みは相当のものであると予想している。彼らの願望(夢ともいう)は日本と戦争して日本を占領することであり、今まで以上に挑発的になると思う。それが韓国国内に広がった失望を挽回する唯一の方法であるのだから。

 

 今後、韓国の経済状況は今よりももっと悪くなっていく。GSOMIA維持であってもそれは変わらない。アメリカから離れていく韓国の姿勢は変わらないのだから、アメリカ側は資本を徐々に引き上げていく。これは数年前から十分に予想できたことであり、よく今までそれなりに落下させずきたものだと感心すらしている。だが、これが目に見えて悪化してきた時に行う行動は、日本に対する挑発以外にはありえない。場合によれば反米運動にすら舵を切る。国民の目をそらすにはそれしかないのだから。そして、行き着く最悪は日本に対する軍事的挑発という懸念であるが、どちらにしても嫌がらせは続くであろう。レーダー照射事件はその前哨戦である。それも今まで以上に大々的かつ、開き直ってである。

 そして中国との結びつきを深くすすると共に、北朝鮮との統合(連邦?)を無理やりにでも進めようとしてくる。統合すれば国力は大きく低下するはずだが、それ以上に韓国の自尊心を保てる方法がない。そして、北朝鮮の核を民族の核として日本に対して誇示するのである。ただ、北朝鮮からすれば韓国主導の統一など許容できるはずもなく、これは韓国が描く絵に描いた餅に過ぎない。

 

 だが、中国を資本主義社会から徐々に締め出し始めている状況を考えると、韓国の進む道は非常に険しいものであるとしか言えない。それは日本やアメリカから経済的な制裁を受ける道のりなのだから。そのことを十分想像できていない現政権こそが、韓国民をつらい行軍に導いているといってよいのではないか。彼らが日本を理由に実質的な反米活動をするほどに、中国に近づくほどに、経済的な苦境は深くなっていく。