Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

あけましておめでとうございます

 最近は本業に追われる時間が多くなり、すっかりご無沙汰しております。それでも、時間を見つけて感じたこと、気になったことについて何かを書いていきたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。

 昨年の2月ごろに株価の上昇に違和感を感じてエントリしたが、現実はその後更なる上昇で私の想定は見事に外れることとなった。まだまだ精進が必要のようだ。世界的な金融緩和によりリーマンショック後の経済復興は成し遂げられたが、その資金は一時資源分野に流れ込み世界的な資源高を生み出したりもした。しかし新興国の発展にも陰りが見え始め、世界をさまよう莫大な資金は行先の模索を続けていたが、それがここに来て狂乱的に株式に向かっているのかもしれない。
 2〜3年前より大きなバブル発生の可能性には触れてきたが、個人的な感覚としての気持ちは今も変わらない。もちろん、私の感覚など何の役にも立たない適当なものであるのだが。例えばアメリカのここ10年間の株価変動をみるとこんな感じになっている。

 これを見て現状がバブルと見るべきなのか、まだ正常範囲だと考えるべきなのかは人により判断が異なることもあるだろう。だが、サッカー選手の移籍費用(http://news.livedoor.com/article/detail/14129775/)など青天井にも見える資金のやり取りを見ると、少なくとも理性的なレベルの状態ではないと感じる人は私以外にもいるのではないだろうか。

 例えば、中国はもっと早期に経済的あるいは統治側面から混乱状態になるのではないかという予測が、数多くの識者から提示されてきた。日本財政破たん論(ハイパーインフレ論)と同様にその姿がなかなか見えてこないというのはその通りであると思う。個人的には、日本がハイパーインフレに陥るよりは中国の混乱が発生する方がずっと早いようにも思うが、流動的なのが世の中の常。中国のごたごたによりサプライチェーンが壊れて、それにより日本経済に大きなダメージが出る可能性は十分にある。日本の信用は、高性能な製品・部品を生み出し続けられるところに立脚している。それが壊れない限りにおいて、日本という国の国際的な信用は容易に毀損しない。
 逆に言えば、日本が緊縮の道を歩み続けることで高い生産性を維持できなくなれば、一気に日本国家の信用は地に落ち、国債の暴落という現象も現実性を帯びてくるであろう。

 さて、中国は衰退するどころか今後も成長を続けるという意見もあるが、株価の変動をみる限りではそう楽観視できるものでもない。世界的な株価上昇の現在において、最もパフォーマンスが悪いのは中国市場である。共産党独裁の中国故に株価がどこまでの指標となるかは疑問もあろうが、中国経済が好調であるとか、あるいは今後も成長を続けるというのは株価を見る限りにおいて楽観視できない。ただ、一旦崩壊の方向が見えたと感じられた中国の不動産価格が持ち直したことが、現状世界経済(特に株価)が伸びているもっとも大きな理由ではないかと思う。日本のバブル崩壊でもそうであったように、先に不動産投機の崩壊があって1年程度過ぎた後に株式に反映される普通であろう。私の読み間違いは、以前の中国の不動産下落をそれと見誤ったことにある。

 ただ、中国の現状を見ると少々不思議な点もある。不動産は未だに上昇しているのに、株式市場はさっぱりだという現象である。私自身は世界的な株価の上昇の方が実態を反映しない金余りの賜物だと考えているので、逆に言えば上昇しない中国の株価の方が実態に即しているという見方もできる。世界的な株価上昇がいつまで続くかは誰にもわからないが、正直な感想としては上がり過ぎた方がその後の崩落は激しいと言ったところであろうか。
 一方で、日本が生産性のみではなく観光立国でも一定の存在感を示し始めているのは良い傾向ではないかと思う。まだまだ、観光立国として成立するには解決しなければならないポイントも多いが、少なくとも多様な収益源を国として持っているのは重要な事であろう。多くの外国人を観光という形で受け入れられるような国に少しずつ変わっていくことこそが最も重要なポイントではないかと思う。

 北朝鮮問題については、直ぐに大規模な軍事的な衝突が生じるというイメージは持っていない。チキンゲームの様なアメリカと北朝鮮のやり取りではあるが、軍事衝突以外にもできることはまだ数多くある。戦争を軍事面のみで行う時代は既に終わっており、むしろ経済面や制度面、そしてメディアや国際機関を使ったイニシアティブの取り合いにより常に行われ続けている。狭義の軍事的な戦争はそれができない国や組織が行うものであり、少なくともアメリカが北朝鮮問題で本格的な軍事オプションを使う可能性は現時点でも低い。
 だが北朝鮮側が追い込まれているのは事実であり、負けるに決まっている戦闘であっても、何らかの理由で試みなければならなくなる可能性は残る。理性的に考えれば取る筈のないオプションであっても、指導者の置かれた立場や情勢により、別の判断が生まれることはある。ただその確率は現状として低く、だからこそ直ぐには軍事的な衝突が報じないであろうと判断している。もちろん、情勢がいつ変わるかはわからないのだが。

 そんなこんなで、相撲協会の問題とか慰安婦合意についての韓国の問題とか、社会賑わす問題には事欠かないが、今年も良い年であります様に。
(一部20180109修正)