Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

貧すれば鈍する

隆盛にかげりが見え始めた途端に、周囲が掌を返すという話は何処でも聞かれるものであるが、特に金の切れ目が縁の切れ目というように離れていくと言うよりは、むしろ水に落ちた犬を棒で叩くように弱ったものは食い物にされるものである。なぜなら抵抗する能力や気概を失っていると見なされるからであろう。良い悪いは別にして、使う気概のない資産はその気概があるものたちが奪い取ろうとするのだ。世界や社会は、慣習やルールに縛られなければ思う以上に下品だろ言うべきだろう。
そう言えばマスコミの報道でも現在の日本の状況も似たような文節で語られることが多い。少子高齢化の進展により日本は成長の可能性がないので、近隣諸国とは仲良くしなければならない。あるいは世界の成長を取り込まなければならない。。。などと。
確かに、本当に衰退しか道がないならばやむを得ない手段として近隣諸国の力にすがらなければならないかも知れないが、それはイコール食い物にされるのを少しでも宥め賺そうと言ったネガティブな平和を希求することでもある。

国であろうが個人であろうが、できることであるならば貧してはならないのであって、それを容認するような意思を見せることも望ましくない。そこには負のスパイラルが待ち構えているのだから。貧して、そこでプライドだけでなく実利益をさえもむしり取られるという構図は、生活保護の集団申請等に見られる生活保護ビジネス(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9)も似たものと言える。最低限の安定は確保するが、決して浮かび上がれない構図に押し込めようというものであるからタチが悪い。
考え方の一つとして、どんなに貧乏しても心は清らかで向上心を忘れないという姿はむしろ日本人にとっての美徳として確かに存在する。私も、そのような心持ちでいられればどれだけ素晴らしいかと思わなく無いものの、現実には貧乏はプライド(良い意味での自尊心として)の維持すらままならないものである。プライドを維持できる最低限の稼ぎというものは人によって差はあるものの、やはり存在する。そして、お金を得る事はそれによって幸せになる事などは幻想に過ぎないかもしれないが、プライドを失う事からは回避させてくれるのだ。種田山頭火http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%AE%E7%94%B0%E5%B1%B1%E9%A0%AD%E7%81%AB)のように、お金に拘ることなく自由に生きた人もいないわけではないだろうが、それを万人に訴えかけるのは無理がありすぎる。

さて、個人としてもそうではあるが国家においても同じ事は言えるであろう。今、日本が中国や韓国から様々な面で圧力を受けており、そしてそれを圧力と感じているのは日本の国力や地位の低下が最も大きい。その行為に至った様々な背景はあるだろうが、結果論として日本の衰退と中韓の勃興が現状に至らしめているのだろうと思う。
仮にそのループから逃れようとするならば、方法は二つしかない。一つは中韓にかしずく事であり、もう一つは再びの国力を取り戻す事である。ちなみに、軍事力も国力の一部ではあり重要なファクターである事は間違いないが、日本の場合にはそれ以上に経済力の方が優先する。
それでも、日本が未だに経済大国である事は間違いないが、今後どの方向を指向すべきかという面では、貧しない方向に行くべきだと私は強く思うのだ。だとすれば、国民の生活が第一ではなく、国民の生活向上が第一なのだろう。

(追記)
這い上がるための辛酸は舐められても、現状維持のためのそれは難しい。