Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

アマゾン火災

 日本のメディアではまだあまり報じられていない(ネットではここ数日報じられている)が、アマゾン川流域の各地で当時多発的に発生している火災(アマゾンの熱帯雨林が「記録的ペースで焼失」 サンパウロは真っ暗 - BBCニュース)が一向に鎮火する気配を見せない(アングル:アマゾン火災、なぜブラジルと世界の「危機」なのか - ロイター)。ロイターの報道で危険性が語られているが、以前よりアマゾンの森林が減少していることに関する懸念は、多くの場所から提起されていた(アマゾンの破壊の現状 | 特定非営利活動法人 熱帯森林保護団体(RFJ))。乾期に森林火災が発生しやすいのは事実であり、アメリカなどでも大規模な山火事(カリフォルニア州 過去最悪の山火事 被害なぜ拡大? | 国際報道2019 [特集] | NHK BS1)がニュースで伝えられる。ただ、森林は焼けても放置すれば時間は必要だが徐々に回復する。ただ、火災後の敷地を焼き畑農業として耕し、その上で地力を使い切って放置すればサバンナのような砂漠化に向かうだろう。

 

 現状の火災状況をNASAが衛星画像として公開しているが、その画像が以下に示すものである。

www.afpbb.com

 火災発生そのものを完全に防ぐことはできないが、その遠因は開発のための方かが多いとされている。いわゆる焼き畑農業だけではなく、敷地を求めての開墾とされる。アフリカの赤道付近は砂漠やサバンナが広がっているが、南米のそれであるアマゾンは多くの森林を誇ってきた。ただ、すでに17%の森林が消滅しているとの報告もあり、さらに火災の煙が太平洋にまで届いているという報告もある(【解説】 アマゾンの森林火災、どれくらいひどいのか - BBCニュース)。

 ただ、ブラジル政府は火事の原因をNGOによる注目を浴びるための犯罪だと非難(炎上するアマゾン、ネットで話題に ブラジル大統領はNGO非難 写真3枚 国際ニュー:AFPBB News)するなど、解決の方向に容易には進みそうにはない。国際協力による消火作業は行われているものの、火災の場所と規模が大きすぎて手が届かない様である。

 

 アマゾンの熱帯雨林は、地球の20%の酸素を供給しているという記事(なぜ「地球の酸素20%供給」のアマゾン熱帯林が焼き尽くされているのか-日本もアマゾン破壊に関与(志葉玲) - 個人 - Yahoo!ニュース)があるが、私はその供給量に関する情報については疑問を持っている。既に多くの人も知っていると思うが、自然林における酸素サイクルはほぼ閉じており、余分な酸素を供給はしない。ほぼゼロである。むしろ手入れされている人工林のほうが酸素供給率は高い。というのも、自然林では朽ちた樹木などが腐敗する過程で酸素を使って多くの二酸化炭素を排出し、樹木が成長過程で取り込むそれとほぼ均衡するからである。この件については、専門家の意見が参考になる(アマゾンは「地球の肺」ではない。森林火災にどう向き合うべきか(田中淳夫) - 個人 - Yahoo!ニュース)。

 ただ、結果的に森林が死滅して砂漠化が進行することになれば、それは世界的な影響を与えることになるだろう。最も大きなものは、森林の消失に伴う気象変動ではないかと思う。森林は多くの水分を蓄えており、陸上での雲を生み出す原料供給地でもある。これがなくなるとすれば気象サイクルは大きく変わり、極端な干ばつや豪雨などを生み出すだろう。さらには、土を蓄える機能が低下すれば、アマゾン川に多くの土砂が流入することにもある。これもブラジルを中心とした周辺地域に悪い影響を与える。近隣の海にも変化が生じておかしくない。

 

 単純にCO2増加による地球温暖化問題と結びつける意見には気を付けたいが、環境という大くくりで考えると決して良いことではない。また、森林減少をこれ見よがしに利用して開発を進めようという流れには反対したい。というのも、現状のそれは無秩序すぎるのである。それと同時に、アマゾン川流域は多様な生物の宝庫でもある。この住処が壊されてしまうことは、経済の論理とはまた異なる、大きな問題だと考える。

 自然が自己治癒力を発揮できる範囲(25%の消失が限界とも、50%程度が限界とも言われるが)に留める努力には注意を払う必要があるだろう。少なくとも、韓国のお笑い劇場に払う注意以上には価値があるのではないだろうか。

GSOMIA破棄の先

 アメリカと日本は韓国政府のGSOMIA破棄(更新拒否)に対し、抗議(韓国からGSOMIA破棄の事前連絡なし 日本政府が韓国側に抗議 - ライブドアニュース)と深い失望を表明(米国務長官「韓国の決定に失望」 GSOMIA破棄:朝日新聞デジタル)した。前回のエントリでも書いた通り、GSOMIAそのものは決して不可欠ではないが、アメリカが仲介する形で日本と韓国が北朝鮮や中国の軍事情報を共有していたものを、それぞれ個別にやり取りできるようにする(ためのルール)のだから、その運用によりアメリカの負荷は軽減され、かつ迅速な情報交換ができる(日韓GSOMIAとは 安保情報、米を介さず直接共有 :日本経済新聞)というもの。迅速さを無視し、かつアメリカの負荷を高くすれば対応できなくはない状況である。そもそもほんの数年前まではそうだったのだから。だが、せっかく構築された有効なh仕組みを先祖返りさせるメリットはアメリカにはない。だからこそ深い失望を表明した。

 実際、韓国の保守派は事の深刻さを多少は認識しているのであろう(朝中露の脅威が増しているのに…韓米同盟まで揺らぐ恐れ-Chosun online 朝鮮日報)。だが、積弊解消に伴い保守派の実質的な力は大きく削がれている。意見表明はできても、政府を動かすことにまでは広がっていかない。それは世論を動かせないという、保守派のジレンマでもある。彼らの行いは、発展途上国にあった利益誘導型のそれであったため、韓国世論はその腐敗ぶりにも嫌気がさしているのである。

 

 さて、現在の韓国はメンツの面で決して日本に対して引かないといった対応を続けている。それは感情のみで物事を判断する素人政治そのもののではあるが、そんな厄介な相手ではあっても日本はできる限り理性的かつ冷静に対処している(<GSOMIA破棄>安倍氏、固い表情で沈黙…日本政府関係者「韓国に好きにさせればいい」 | Joongang Ilbo | 中央日報)と思う。一方の韓国の方は、取り扱っている協定等の意味をろくに認識しておらず、構築されている約束や関係の価値すら正確には理解できていない。一部メディアやTVのコメンテーター等は、韓国が騒ぎ立てる状況を見て日本が譲歩すべき(あるいは手を差し伸べるべき)と言っている(玉川徹氏、メディアの韓国への報道に警鐘…「テレビは視聴率。視聴率取れるから流れていくメディアがあるんだったら残念」 : スポーツ報知)が、まったくもって皮相的な見解である。この状況に陥った国際的な背景すら理解していないでコメントしている。冷静になるべきは日本ではなく韓国の方である(久米宏がワイドショーの嫌韓報道を真っ向批判!「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」「韓国叩くと数字が上がるから」 (2019年8月21日) - エキサイトニュース)。とりあえず、世論に対して一言出せばよいというスタンスでコメントを吐かないでもらいたいが、まあそれが彼らの立ち位置なので仕方がない。こちらも韓国と同様に生暖かく見守ろうではないか。

 

 私は、GSOMIAそのものには象徴的な意味合いが強いと考えており、その破棄により軍事情報交換に致命的な何かが生じるものではないと理解している。だが、一方でその象徴性こそが実のところ大きな意義を持っている。前回のエントリでも書いたが、北朝鮮や中国に軍事的な意味で対抗するというスタンスである。全面的な撤回ではないものの、その一部を今回韓国が破り捨てた。しかも、まったくジャンルの異なる通商的な葛藤を理由として。韓国政府は理解していないかもしれないが、それは西側諸国として生きていくことに唾を吐きかけたのに等しい。すべてを日本のせいにして胡麻化そうとしているが、告げ口外交はもう大きな力を持たないだろう。かつてより行われてきた韓国を日本の重しに使うという欧米の戦略は、少なくとも韓国が同じ価値観を持って西側諸国の一員として歩むというのが前提であった。だから、日本は韓国に様々な便宜を図らざるを得なかったのである。さらに言えば、韓国を成長させて重荷にならないようにするという動きも取った(その上で贖罪意識を持つ人が有力者に少なからずいた)。しかし今回のようにその仮面を自ら脱ぎ捨ててしまえば、韓国を捨てるという日本の主張を欧米が止めることはできなくなるだろう。

 以前、韓国を世界中の国々が人身御供にして食い物にするという妄想的なエントリを書いた(韓国人身御供の可能性 - Alternative Issue)ことがあるが、どうやら誘導されるまでもなく自らその供物台に座ろうとしているように見える。韓国が国際社会に一定の地位を築けたのは、韓国にそれだけの戦略的価値があったからである。一つには中国・ロシア(ソ連)との緩衝地帯という意味。そして、少なくとも西側陣営に留まるという意思。だが、米朝会談が行われ北朝鮮の窓口としての立場は失われ、米中は本格的に経済対立に突入しつつある。中国に親和的な姿勢を見せる韓国は、緩衝地帯としての意味付けも西側の価値観を維持するという側面も、徐々にではあるが取り払っている。

 

 そう動く一番の理由は北朝鮮との融和ではあるが、それを望む周辺国は実のところほとんどいない。まず、西側諸国からの実質的な離脱を経て、その後に中国が韓国を重用するかといえば、これも疑問である。最先端技術を持っているからこそ、中国にしてみれば韓国の価値がある。西側陣営から追い出された韓国に、どこの先進国が技術を渡すだろうか。もちろん、自主開発できるのであればそれでいいだろうが、仲間から外れるということは今中国の研究者がアメリカで置かれている状況(米、中国人研究者の締め出しを検討 機密漏えい警戒 内外から批判も | NewSphere)と似たようなことになるということである。

 これまで中国とアメリカの間で曖昧戦略を続けてきて、両者からどちらの陣営につくのかを迫れれている状況にある韓国。今回のGSOMIA破棄は、その立場を明確にする第一歩になるのではないだろうか。そして中国援助のもとで北朝鮮との連邦制を目指すことになる。それは多くの韓国国民が描く遠く果てない夢ではあるが、実現がほぼ不可能な絵にかいた理想でもある。おそらく、何度目かのルビコン川を渡ったのであろう。いかにも渡っていないフリをしながら。

予想外のGSOMIA破棄

 韓国が日本との軍事情報協定(GSOMIA:日韓秘密軍事情報保護協定 - Wikipedia)を破棄することを決めた(韓国、日本との軍事情報協定を破棄へ - ロイター)。これを破棄して韓国が得るメリットとデメリットを比較すれば、圧倒的にデメリットが多いこおとから、嫌がらせのために難癖はつけるとしても破棄はしないと考えていたが、私の予想を斜め上方向に越えてきたので正直驚きしかない。

 衛星情報等については日本の方が情報収集に関して圧倒的に有利であり、一方で北朝鮮の内部情報等に関しては韓国が長けている。こうした情報をやり取りするための相互情報提供システムであるが、それ以上に北朝鮮や中国に対する同盟的な位置づけを象徴する意味合いが大きかった。だから、この協定破棄が軍事的な問題を引き起こすことはないが、韓国が西側諸国の立場よりも日本との決裂を優先したということにおいて、大きな事件である。

 

 また、破棄が韓国側から行われたという事実も韓国にとっては大きな重しになるだろう。仮に日本との仲が悪かったとはしても、情報交換をする窓口の一つを自らが閉めてしまうのだから、言い訳はできない。それはいくら日本側のホワイト国外しがあるとしてもである。

 

 文大統領が、日本に対して後には引けない状況に自ら追い込まれている(追い込んでいる)ことについては前にも触れたが、明らかに自国に不利なことにまで踏み出すというのは予想外である。本日の午前中まで、条件付き容認という観測記事が上がっていただけに、そのあたりが落としどころなのかもしれないなと感じていたのだが。

 一方で、韓国の国内的には新しい動きが徐々にではあるが広がり始めている。韓国人には、本当は韓国の方がおかしいと思っている人は数多く存在する。国として自国を愛し応援したい気持ちはあるが、嘘を振りかざして反日を叫ぶことについていけない人たちである。あるいは、そのような空気が蔓延している韓国という国に嫌気がさしているといってもよいだろう。

 シャイジャパン(https://sincereleeblog.com/2019/08/22/%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%82%a4%e3%83%bb%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%91%e3%83%b3%ef%bc%9f/#more-952)と呼ばれる行為があるとされる。要するに、ボイコットをしている韓国では表向き日本に旅行するなどというとバッシングを受けるため、密かに行う行為である。7月段階ではあるが、実数としてはそれほど多くは減っていないという話も出ている(7月訪日外国人、韓国7.6%減 関係悪化響く、全体では過去最多 | 共同通信)。ちにみに減少分は他国からの旅行者が補っており、日本としての損失はない。まあ、韓国からの旅行者もSNSで公開しなければわからないのだから。

 あるいは、ユニクロの不買が大きいという話もあるし、買い物に行った人がクレームをつけられるという事件(ユニクロで買い物していた客に「日本製品なのに買うのか?」と詰め寄った60代の女を逮捕=韓国の反応 : カイカイ反応通信)もあったようだが、そうであればとネットでの購買が増えているという話も出ている。このネット販売数が、ユニクロの韓国での販売数に含まれるのかはわからないがどうだろうか。

 

 さて、こうした国を挙げての反日の動きの最中、ちょっと面白い報道が続いている。一つは、政府高官が現政権の態度に反旗を翻したこと(「今は親日が愛国」SNSに妄言書いた高官を懲戒処分=韓国の反応 : カイカイ反応通信)。あるいは反日は嘘に基づいて構成されているという本が売れている(韓国で「反日は迷信だ」と訴える韓国人学者の本が売れている|NEWSポストセブン)とされる。あるいは少しは前ではあるが、徴用工問題は韓国が間違っていると事実関係をもとに、国連人権委員会のシンポジウムで報告した韓国の研究者もいる(「徴用工問題の嘘」を暴いた韓国人研究員が来日 日韓関係改善を - ライブドアニュース)。

 日本ではあまりメディアには載らないが、韓国内でもこのような意見が表出するようになってきた。多くの場合、空気によりこうした意見は圧殺され、社会的に抹殺されていくのがこれまでの韓国だった(日本統治時代のほうが良かったといった老人は殴り殺されている:95歳男「日本統治よかった」発言で殴り殺される 韓国ネットでは「死んで当然」「正義の審判だ」 : J-CASTニュース)。

 

 韓国では、古くは「親日派の弁明(親日派のための弁明 - Wikipedia)」を書いた金完燮氏のように、日本が良い・正しい、韓国が間違っていると主張すると、ネットでの誹謗中傷だけでなく警察や裁判等により社会的に抹殺される(韓国で親日コミュニティを作った男子学生を捜査 - ライブドアニュース)ため、それを表向き言い出せない雰囲気がずっと社会を覆っていた。

 だが、恐れずにそれを主張する人の数が一定数を超えると、雪崩を打ったように社会が変わる可能性がある。文政権は、そうした素地を着々と築き上げているようである。

 

 今後も、いったい何をしでかすかを見ていたいと思う。

リベラルメディアのカルト化

 朝日新聞毎日新聞が、狭い範囲の読者を取り合って争うようになることについては以前書いた(朝日と毎日の牌の奪い合い - Alternative Issue)。もちろん、同じ穴の狢であって両社の直接的な争い(罵りあい)には発展しないだろうが、実質的には共産党の支持者をれいわ新選組が奪うように、同じような政治思潮を持つ人たちを集めて狭い世界で自己の優位さを主張し合う。そして、敵は日本の保守政権。要するに自民党、特に現状長期政権を敷く安倍内閣が最大のターゲットである。

 それを批判する識者をグループを挙げて重用し、多くの場合には社の意見の代弁をさせる。だが、こうした意見はもはや社会を動かす力を失ってしまい、ごく一部のシンパシーを感じる人たちのみを満足させる内輪に対する宣伝のようになってしまった。若者たちの大部分はリベラル系メディアの報道にそっぽを向き、むしろ彼らが主張する理想論を嘲笑している。その位置づけは、現在の韓国に対するものと非常に似た状況だ。

 

 例えば、メディアがほとんど報道していないが、毎日新聞と戦略特区WGとのやり取り(毎日新聞の戦略特区WG追及は「報道の自由」を超えた暴走ではないか | 岸博幸の政策ウォッチ | ダイヤモンド・オンライン)は、報道機関としての自殺に近い状況に近づきつつある。正直、モリカケ問題(森友学園問題 - Wikipedia)にも近い内容ではあるが、総理という公人を追求するものではなく、私人に極めて近い存在に対して公的なリンチしているような様相を呈している。両者の言い分を並べてみる限り、毎日新聞側には勝ち目はないように見える。社会正義の追求のため疑惑報道そのものは許されると思うが、それは最終的に相手を裁判で罪があるという状況に追い込んでこそ初めて価値を持つ。それを成し遂げられなければ、良くても不十分な証拠による追及であり、あるいは明らかな誤報である。要するに、根拠を持って社会問題化できない限りにおいてメディアとしては敗北しているし、加えて疑惑のみで私人をリンチすることは言論による明確な暴力である。特に、ワイドショーレベルではない新聞社が行ってよいことではない。だが、同じようなことは過去から何度も繰り返されてきた。これは、新聞社というシステムが内在する原罪のようなものではないか。

 

 朝日新聞は、日本の輸出管理厳格化に対してご不満なようで、何度も撤回するように論((社説)対韓輸出規制 「報復」を即時撤回せよ:朝日新聞デジタル安倍政権「喧嘩の仕方」間違えた? 日韓関係が泥沼化した内幕 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)韓国への輸出規制は「徴用工問題」を解決しない - 登 誠一郎|論座 - 朝日新聞社の言論サイト)を張っている。正直、韓国に対して一部物資はきちんと輸出されている(韓国への半導体材料の輸出、日本が再び許可 サムスン分:朝日新聞デジタル)こと、最先端以外の半導体生産には大きな問題がないこと(なぜ韓国の「ホワイト国除外」で“空騒ぎ”するのか:日経ビジネス電子版)など、きちんと説明を聞けば日本が理性的な対応をしており、一方の韓国が感情的な主張をしていることはすぐにわかる。だが、そんなことをお構いなしに喧嘩両成敗的な落としどころで仲裁者を演じようとするあたりは、低レベルのコメディを見させている気分である。別に現段階で日本政府の対応に瑕疵はないし、こうした原因を引き起こしたのは韓国側のみに問題があり、その問題が一切解決されていないことには触れないのだから。むしろ日本のほうが感情的だと報道(「感情」に訴える韓国輸出規制、その狙い 津田大介さん:朝日新聞デジタル)されても、それに同意できる人は少ないだろう。

 毎日新聞反日ではなく反アベだなんて報道(特集ワイド:猛暑のソウル「反日」一色と思いきや… ロウソクと太極旗、揺れる劇場都市 - 毎日新聞)をしているようだが、同時に行われている反文政権に対するデモはどの程度取り上げているのだろうか。もちろん、韓国で行われているのは反アベではなく反日活動であるのは間違いない。倫理的な正当性を主張したいがためのカモフラージュに過ぎない。さらに言えば、日本人の大半が輸出管理厳格化に賛成しているのだから、それを安倍総理のせいにできると考えている韓国市民運動のファンタジーに付き合う必要もない。

 

 元々、新聞社を中心としたメディアの報道スタイルには、結論を決めずに事実関係を明らかにしていくタイプと、想定した結論にむけての証拠集めをする姿勢がある。前者こそがジャーナリストとして守るべき立場だと私は思うが、多くの場合は締め切り等の制約のためか後者になっている。もちろん、前者のスタイルで取材を進め強い確信を得て、詰め将棋を行うように後者の方法論をとるというのはあるだろう。だが、先ほどの毎日新聞の例を見る限り、十分な確証を得る前に後者のスタイルをとろうとしてしまっている。明らかなミスである。

 私も過去の職場で毎日新聞からの電話取材に関与したことがあるが、取材時には自分が決めたストーリがあり、それを穴埋めするための言葉を引き出すまで執拗に質問を繰り返されるという経験をした。おそらく全く異なる質問であっても、切り取って使われるであろうことは容易に想像できる。だが、インターネットの発展により一般人も反論の機会を得ることが可能となった。昔のままの言論の暴力で口を封じることは困難になりつつあるのを、もっとも理解していないのは新聞社というメディアではないか。

 

 さて、新聞社の苦境(部数減、給与削減、リストラ等)については既に書いてきた。規模のメリットを失いつつあるメディアは、自分たちの主張が社会的に受け入れられにくくなっていることを意識してか、あるいは無意識のままでかわからないが、とにかく主張を先鋭化させ始めているような気がしている。バランスの取れた主張では、自分たちの支持を得られにくくなるため、スクープ主義あるいは確実に支持される身内(同じような政治思想を持つ人たち)に阿る内容にシフトしていく。週刊誌化・タブロイド紙化というよりは機関紙化と言ったほうがよいかもしれない。

 こうした状況が進むほどに、発信される記事は先鋭化し攻撃的になっていく。私はこの現象を「メディアのカルト化」と呼びたい。カルト(カルト - Wikipedia)とは宗教における儀礼・祭祀を意味する言葉であるが、近年は犯罪的なイメージを持つ集団を表すこともある。あるいは、特定の熱狂的な集団を表すこともある。

 

 まがりにも公平さを喧伝してきた新聞をはじめとする各種メディアではあるが、社会的な支持や基盤が弱まるほどにその前提を守ることが難しくなっていく。姿勢の維持よりも自らの矜持や過去の立ち位置を優先する。この現象は、何も左派だけの問題ではないが、保守層の広がりにより現状右派はそこまで先鋭化する必要がないという点で異なる。

 朝日新聞よりも毎日新聞のほうが規模が小さい故に、先にその傾向が露わになりだした。社会と擦り合わせるよりは、自らの心情と直感を優先する。それは、ジャーナリストと呼ぶよりはカルトと呼んだほうがいいと思うのだがどうだろうか。

日米がコントロールできなかった中韓

 現状の米中対立は、アメリカが資本主義にすり寄ってきた中国を体制に組み込もうとしたものの、結果的にそれが狙い通りにはいかず引き起こされた。市場としての中国を都合よく使おうとしたが、そうは問屋が卸さなかったようである。そして、日本が韓国をホワイト国から外す必要が生じたのも基本的には同じ流れにある。韓国を共産主義に対する防波堤として使いながら、日本と良い関係を築こう(似た国家であるため、高品質製品を日本が担い、それより落ちる製品を韓国で分担する)と企図したが、結果的にはそれは上手く行かなかった。ある意味では当然ことである。より豊かになりたいと考えることは、国家として至極当然の思考であるのだから。

 言い方は悪いが、アメリカは中国を経済植民地にしようして一時的かつ一面で成功したが、気づけば中国の台頭を許しここにきて一気に態度を変えた。基本的に付加価値の低いものの製造は認め、それ以外はアメリカが抑える戦略であったはずが、日本を警戒し過ぎて中国が力をつけすぎるのを見過ごしてしまった(パンダハガーの影響もあっただろう)。日本も韓国を都合の良い製品組み立て国として位置付けたが、モノづくりの側面では諸般の理由でサムソン等に追いやられ、鵜飼的な経済構造(部品を日本、製品を韓国という形)を作り上げたものの現状に至る。

 

 もちろん各国の産業構造という面もあるが、それ以上に大きなものが将来的な野心である。日本は、バブル時期に「アメリカすらも食らい尽くす」といった熱病にかかっていたが、その後にアメリカから強烈なしっぺ返しを食らい現在に至る。ここに至った理由は、日本の驕りと戦略ミス、そして基軸通貨ドルを持つアメリカの底力である。

 バブル崩壊後の日本はそれまでの驕りの分、アメリカから手痛い制裁を食らった。その結果だけではないが、失われた20年を経験し未だにデフレから立ち直れないでいる。今の米中貿易戦争も基本的には日本が辿った道である。ただ、中国は日本よりも強かで打たれ強い。ルール通りで行けばアメリカの方が有利ではあるが、そもそもアメリカが作り出したルールを変えようとしているのが中国であり、ルールを無視できる分だけ日本などよりはずっと粘ることができる。

 ただ、それでも本気を出したアメリカには敵わない。だが、アメリカは中国を強権的に屈服させ敵対したかった訳ではなく、経済的な植民地として利益を得るシステムを構築したかったのだから、現状の流れはアメリカとしても本意ではあるまい。だが、少なくとも自分たちの覇権を脅かす存在を許容しないという意味において、中国共産党政権を敵視する状況は党派を問わずに成立している。

 

 日本の場合には、今を見る限りアメリカが構築した世界秩序の中で、最大限の利益を得るために努力している状況である。逆に言えば、戦略がそうであるからアメリカを盛り立てないわけにはいかない訳だ。日本単独で強い力を得て、世界中の富を集めるなどという夢物語を描いてはいない。

 だが、韓国は違う。その実力はまだまだ日本には及ばず、しかし後ろを見れば中国の追い上げに火がついている状況。それにも関わらず、北朝鮮と一緒になれば日本をも凌駕できると嘯いている。そんなこと実現するはずもないのに。現実的な日本と夢見がちな韓国。韓国は夢を見るか故に日本を軽んじている。

 どちらにしても、日本が韓国に対して思い描いていた状況は大きく外れてしまった。ここにきての日本政府の態度は、それを考えれば明らかである。さらに言えば、アメリカにしっぽを振って野心を見せないようにすることで、アメリカからの執拗な日本叩きを回避している。アメリカは、潜在的な日本応力を恐れている。それは現状においても変わらない。同じことはEU各国においても言える。

 韓国の明らかに理不尽な主張が、なぜか国際的に受け入れられる状況に疑問を持つ人は少なくないだろう。韓国の露骨なロビー活動や賄賂等の実弾戦略もあるとは思うが、それ以上にヨーロッパも日本の潜在力を脅威と思っている。だからこそ、彼らは韓国の肩を持つのである。日本の重しとして利用するため。世界は仲良しクラブではない。日本の成功は他の国々の敗北でもある。誰が正当に評価などしようか。

 

 逆に、もし欧米が日本を公平に評価するになったとすれば、それは日本の戦略的価値が無視できるに近い状況になったと考えた方がよい。すなわち言論面で優遇される韓国はそういうレベルだから優遇されるのである。もちろん、中国や韓国(ロシアやアラブ諸国なども大して変わらない)が国際機関を自分たちに都合の良いように操作し、有利な言論状況を作ろうしているのも事実である。ゆっくりではあるが、使えなくなった国際組織は新しい何かに変わっていくだろう。

 

 今後もゆっくりとではあるが、新たな国際秩序作りは進んでいく。その中に、日本が立場ある存在として組み入れられるか。現状はそうした土台・基盤づくりの時代ではないだろうか。どちらにしても、戦後(特に朝鮮戦争後)進めてきた東西の秩序は、現在大きく変わろうとしている。新聞などは、近視眼的なあるいは思想的な観点からしか見ていないが、場末の素人でもこの程度のことは公開情報から予測することはできる。

 コントロールできないものは、仕方がないから手放す。その動きが今生じている。

産科崩壊

 最近は、メディア、韓国問題、選挙関係が続いてばかりだったので、話題を変えて産婦人科医師問題について書いてみたい(激務の産科医、休みなし 分娩休止で機能集約を 病院「国レベルの課題」 | 丹波新聞)。

 ずいぶん前より、医師を目指す人たちの中で人気が低いのが、産婦人科医と小児科医である(産婦人科医師の不足する現状とその背景―世界トップクラスの安全性でも訴訟が多い? | 医師転職研究所)。それ以外でも人気が低いとされる職種はあるが、社会問題となっているのは産科が多い。その問題の源泉は、訴訟リスクと拘束時間の長さである。特に訴訟問題では、毎日新聞記者の報道(毎日新聞の青木恵美記者、奈良県南の産婦人科を根絶 : 今夜はハットトリック!)により大きな社会問題にまで広がった大淀病院の件(大淀町立大淀病院事件 - Wikipedia)や福島県大野病院事件福島県立大野病院産科医逮捕事件 - Wikipedia)等が有名である。

 

 出産は胎児にも母体にも危険を伴う医療行為であるが、医療技術の高さが人々に危険性を低く見積もらせているという点が大きい。医療技術の発展により、出産時の妊婦死亡率は1900年ごろと比べておおよそ1/100に低下した(妊産婦死亡率 - Wikipedia)。かつて10万人中300~400人の死亡事例があったものが、現代では3人程度とされている。また、乳児新生児死亡率も同様に激減している(乳児・新生児の死亡率推移をグラフ化してみる(1899年以降版)(最新) - ガベージニュース)。

 ちなみに、一部で自然なお産(助産婦等による介助)の推奨がされているところもあるが、これには科学的根拠はなく、危険性を助長しているという意見が出されている(Vol. 338 “自然なお産”ブームに警鐘を。助産院・自宅分娩の問題点を広く考えて欲しい | MRIC by 医療ガバナンス学会)。他方、陣痛を何とかしたいということで無痛分娩を選択する事例も増えているが、こちらにも警鐘が鳴らされている(無痛分娩、決める前に知ってほしいこと:朝日新聞デジタル)。

 

 産科の問題は訴訟リスクが高いことと先に書いたが、このように当たり前に子供が生まれ、妊婦も助かるというのが社会的な常識になっていることが最大の原因と言える。この状態が維持されるのは、妊娠時からの継続的な診療がされていること、あるいは妊婦がそれほど高齢ではないことが重要である。高齢出産の危険性については、すでにいろいろな場所で情報が発信されている(知っておくべき【高齢出産】のリスク|杉山力一医師の女性のカラダの不調解決コラム | Oggi.jp)が、35歳を超えると急激に出産そのものが難しくなるだけではなく、死産率も増加、染色体異常等を発生する確率も上昇する(35歳以上の初産が増加中 高齢出産のリスクやメリット まとめ | ウーマンエキサイト)。

 

 まず、妊娠中よりの継続的な診察を受けないケース(飛び込み出産 - Wikipedia)が増加している(増加する「飛び込み出産」早急な対策を/大阪府医・周産期医療研修会 - 京都府保険医協会)という情報が公表されている。理由は、経済的なものが大きいようだが、核家族化の進展により相談できない人がいたり、DV等による出産への忌避的な姿勢や、在留外国人が十分に制度を理解していないということもあるようだ。

 これは産婦人科からしても非常に難しい問題である。医師として、問題あるお産に対処しなければならないという社会的責任は間違いなくあるが、まず事前情報がわからない状態での出産は非常に困難であることに加え、出産費用の未払いが多く経済的な問題も付与される。危険性が高く経済的メリットの少ない出産を、喜んで行うことは容易ではない。

 その上で、出産時にトラブルが生じた場合に訴訟リスクに晒されるというのだから、なり手が減るというのは当たり前のことであろう。実際、過去の訴訟でもこのような飛び込み出産のケースが散見される。

 こうした問題に対処すべく、産科医療補償制度産科医療補償制度の概要|産科医療補償制度の目的と創設経緯)が2006年より創設され、運用が進められている。もちろんこの制度の矛盾や問題点を指摘する意見(http://www.taog.gr.jp/member/menber_sinchaku/nfc2.html)もあるが、無いよりはましという状況であることは間違いないだろう。

 

 次に、日本人の結婚年齢がどんどんと高くなっている(【結婚の平均年齢】最新データは29.4歳! 女性の平均初婚年齢は20年間で3歳上昇 | Oggi.jp)ことが、社会構造的な問題として広がっている。日本では、女性の結婚年齢がほぼ30歳という状況にある。男性も年齢を重ねることで出産リスクを高めるのは間違いないが、やはり女性の初産の年齢が何より大きく影響する。第1子の出産年齢平均が30.7歳(徹底調査!日本人の結婚・出産の平均年齢と生涯未婚率の地域差 - Menjoy! メンジョイ)というのは、十分に高い状況にあるといってよいだろう。

 出産には適齢期があり、おおむね20代半ばがそれにあたるとされる(齊藤先生に聞く!【38】理想的な出産適齢期はいつまで?|シティリビングWeb)。複数人の子供を持つことを考えれば、20代前半ごろから出産に前向きになることが必要になるようだ。もちろん、個人的な選択(DINKSや出産時期を遅らせること)は認められるべきではあるが、社会総体として方向性を変えることが重要であると思う。

 

 さてタイトルに産科崩壊と書いたが、実のところ産婦人科医が極端に減ったわけではない。産婦人科医は減っていないが、出産取り扱い医院が大きく減少している(http://www.taog.gr.jp/member/menber_sinchaku/nfc2.html)。上記のようなリスクを個人レベルで負担することが難しくなっているため、より大きな組織に所属したほうが良いということがあろう。産科医の数が少なければ、いつも飛び込みに出産に備えていなければならなず、遊びに行くことどころか気を休める暇すらないという状況になってしまう。ならば、産科医の多く所属する大規模な病院に集まったほうが楽だというのは当然の考えであろう。

 だが、医療体制を考えればこれは良いことではない。妊婦が毎回遠方まで診察に出かけ、あるいは出産時も遠方の病院に入らなければならない。これは上記でも触れた経済問題にも大きくかかわる。一般に、所得が高いほど出産数は低下する(http://www.esri.go.jp/jp/archive/bun/bun185/bun185c.pdf)とされる。もちろん、所得が少ないと結婚自体に至らないという側面があるので、総体としては何とも言えないが、所得問題は飛び込み出産とも大きく関係する。

 

 今考えなければならないのは、出産の社会的意味と、そのリスクを誰が負担するかということである。国を挙げて人口減少に立ち向かうとすれば、出産にかかるリスクを医師から社会に振り向ける制度設計が何より重要ではないだろうか。もちろん、ほかにも対処すべきことは山ほどあるだろうが、産科崩壊は日本社会を根本から崩してしまう危険性のある問題であり、国としての対処を期待したい。

金とモノが溢れた状況の先に来る価値

 世界景気が下降気味であることは、すでに多くのメディアが取り上げ始めている。とは言え、「日本もアメリカも現状が不況なのか」と問われれば、「それは違う」と答えざるを得ない。収入に不満はあるものの、失業率は記録的に低く(フランス失業率、第2四半期は8.5%に改善 2008年末以来の低水準 - ロイター6月の完全失業率2.3% 女性は91年2月以来の低水準 :日本経済新聞)安定した雇用状況が続いているのだから。もっとも世界経済はすでに有機的かつ複雑に結びついており、一部の国家の破綻が世界的な危機を引き起こす可能性は今もある。それが中国になるのか、ドイツになるのかはわからない。ただ、リーマンショック後の制度設計(資金融通制度)により危険性は多少軽減されていると考えてよい。

 ところで、日本をはじめEUなど多くの国々は現在マイナス金利アングル:マイナス金利政策の仕組みと落とし穴 - ロイター)という異常な状況に置かれている。通常は金利が安ければその資金を利用して経済が活性化するのだが、長年の金融緩和により市場には資金があふれている状況(そのものではないが参考として:マネーストック統計のFAQ : 日本銀行 Bank of Japan)である。ローコストの資金であっても、借りる人がいない状況(正確に言えば、貸せる人がいない)である。世の中にお金を欲しい人は山ほどいるが、それを適切な金利を加えて返却できると思える人が少ないということである。逆に言えば有望な企業からすれば、いくらでもお金は借りられる。むしろ貸してくれる(投資したい)ところが多すぎて困るほどの状態になっている。

 特にIT系や生物・医療系を中心に、有望なベンチャー企業には多くの資金が集まり、あるいは大手企業に巨額で買収されるという状態になっている。素晴らしいアイデアを複数持っていれば、ベンチャーを設立し売っていくというビジネスも成り立つだろう。もちろん本当に有望なものであれば、自分で経営し成長させたほうが良いことは言うまでもない。

 

 さて、今回話題にしたかったのは少々話が変わる。本来、これだけお金がばらまかれた世界では、物価が上昇するというのが経済学の常識であった。経済が、お金とモノの二つの変数のみで動いているとすれば、お金が増えれば物の価値(価格)が上がり(インフレーション)、お金が減れば物の価値(価格)が下がる。要するに、お金とモノのバランスにより物価が変動するという単純な構図である。もちろん実際には様々な変動要因があり、そう容易に言い切ってよいものではないが、大枠に関しては何も変わらない。戦後のインフレーションは物資の極端な不足により発生し(お金もなかった)、あるいは対外債務の極端な増加や金融危機は、資金の引き上げにより極端なインフレをイ引き起こすこともある。もちろんお金が無くなり、その上で物が買えないため生じる現象である。

 だが、現在の世界経済ではそれは成立しない国家がある。その先駆けは日本だが、金利を下げてもお金をばらまいても、物価は遅々として上がらない。一般的にはデフレと呼称されている。日本政府が山ほど借金を重ね、その不安を財務省がいくら煽ってもである。だから多くの識者はデフレ脱却を叫ぶ。ところで、よく財務省が政府の借金を日本の借金のように胡麻化して増税の理由にしているという意見は聞くし、私もそういった懸念があると考えてきた。だが、実際には物価の上昇を意識的に誘導したかった面もあるのではないかと考えたりもする。いや、財政規律主義のほうが勝っているのは間違いないだろう。

 

 こうした状況に陥った最大の理由は、私たちの認識が過去に物資の量がお金よりも大きく経済を動かしてきた現象に未だこだわっていることが大きいと最近考えている。モノが少なかった時代、それは日本に住む若い人たちからすれば想像できないかもしれないが、ほんの数十年前には日本でも存在していたし、世界的に見れば多くの地域で当たり前の状況である。もちろんモノ自体は世界にあふれており、それを購入できるお金があるかどうかが問題とされる。

 そして、日本やアメリカ、あるいはEUの中でも特に先進国といわれる国々では、国家(政府ではなく)として資金を有しており、モノを潤沢に購入でき自分で生産することも可能。一部存在しないものや生産できないものも、貿易により容易に入手可能。そんな状態にある。こうした政府は、少々借金を重ねても物価が急上昇したりはしない。最近はやりのMMT現代貨幣理論 - Wikipedia)なども、そうした現象を利用しようとしたものだと理解している。現実には中国の経済躍進も、国内に大量のお金をばらまいたため(保有するドル以上の元を刷っている)に生じた仮初の反映である。とは言え、その状態が既成事実化されれば世界はそれを認めるようになる。少なくとも現在の中国の発展は、中国経済が今後も発展するという共通意識の上に成立しており、それを崩さないために中国は決して経済成長率を落とすことができない(数字上であっても)。

 

 日本人にも相対的な貧困生活を余儀なくされている人は存在し、モノとお金に溢れた社会だと納得できない人もいるかもしれないが、少なくとも世界最高の債権国であり、世界最先端の技術開発国でもある。国家としては、モノとお金の面で世界有数の恵まれた状態にある。もっとも、欧米のGDPはこの20年で数倍に成長したが、日本のそれは停滞したままであり、中国に余裕で追い抜かれてしまった(主要国のGDPをグラフ化してみる(最新) - ガベージニュース)。

 私たちの多くは閉塞感を感じずにはいられず、社会は停滞し、平均的な元気は失われているようにも見える。人々はチャレンジを恐れ、安全志向で老成化した社会と揶揄もされる。だが、ここで再度考える必要があるのは、お金とモノがあふれた社会はすでに実現してしまい、アメリカや中国の様にバブル的な思考を取り込めない日本やEUはその流れに乗り切れずにいること。その流れの中で勝ち組を探すのか、それとも違う新しい価値観を見出すのか。

 

 多くの識者たちは、現状の経済の流れの中で勝ち組になるための策を提唱する。財政支出GDPの拡大ために必要な方法である。私も短期的な対処としてそれは非常に需要だと思う。だが、その先はどうなのだろうか。

 いくら金融緩和しても、もはやモノがあふれる時代にはその効果が薄れていく。特にグローバル化の進展した現代社会では、安い仕事は海外に流れ、国内にお金はあっても投資に見合うリターンを得ることが困難になっている。例えば、アメリカを代表するような企業であるGAFAGAFA - Wikipedia:最近ではFANNGという括りもある)はすでに多国籍企業であり、アメリカにすら税金をあまり払わない方法で成長している。株式投資をする人には都合がよくとも、国家としては非常に都合が悪い。また、その投資先は国内景気など無視して中国等の儲かる場所に向けられる。現在の米中戦争は、ある意味においてグローバル企業の無法を止めるための戦いでもある。

 

 モノと金があふれる世界が、再度旧来の経済学が成立する世界に戻る方法はある。それは、戦争等によりモノが不足する状態になるか、あるいは世界的な金融不安の増大によるお金の価値の低下など、どうにかしてお金かモノの余裕を欠くことである。お金については正直短期的に難しいので、モノが不足という社会の方が現実的だろう。だが、それはたぶん戦争(あるいはそれに近い状況)の再来を意味する。私はそれを望みはしない。

 とすれば、私たちはお金もモノも溢れたこの時代における新しい価値観を指標としなければならない。それを獲得するために、お金とモノというリソースを費やすべきなのだ。それが生きがいなのか幸福なのか、あるいは自己実現なのはわからないが、アメリカで火が付き始めている社会主義の再興ではない。問題は、両者ともに個人により感じ方が異なるため、社会の共通的な指標となり難いこと。だが、それを見つけ出せる最もよいポジションに日本は立っていると私は思う。

 とすれば、現在敵視されているデフレという状況も、場合によっては新しい価値観を生み出すために必要な環境なのかもしれない。まあこうしたものは希望的な考えに過ぎないし、短期的にはお金を得ることは必須である。だが、できればその先を夢見てみたいものではある。

 

(追記)

 ここで書いていることは、以前にも触れたことがあるが、資本主義の次の社会を覆う理念を見つけることである。私たちが生きていきためのそれは、資本主義の中心たるモノとお金という基盤の上に成り立つため、それなしには達成しえないが、それが溢れた社会だからこそ必要になる指標を探し出すべきだろうということを書いている。

混乱の時代にようこそ

 米中貿易戦争は数日前に書いた通り、妥協と強硬を繰り返しながら(トランプ米大統領、中国と通商協議継続 「当面の合意ない」 - ロイタートランプ大統領:9月の米中協議、キャンセルになっても「構わない」 - Bloomberg)も、最終的にはお互いに引けないラインを見出していく。アメリカの株価はトランプ大統領をはじめとした政府高官たちの口先介入(トランプ氏、1%利下げ要求 FRBは米経済に「手錠」 - ロイター)によりなんとか崩壊を抑えているが、先行きは不透明なままであり、世界を見渡せばリセッションの声がちらほらと聞こえ始めた。世界中で利下げが行われ(豪中銀、追加利下げの用意あるとあらためて表明-四半期報告 - Bloomberg)、あるいは検討され始めている。要するに、世界経済はそろそろ下り坂に向かいつつある。それを証明するかのように、ホルムズ海峡での火種があるにもかかわらず、原油価格は暴落とはいかないまでも低迷(原油と金、高まる逆相関 米中摩擦の深刻さ映す :日本経済新聞)している。

 

 こうした状況に陥りつつある理由として、トランプ大統領の自分勝手な行動や主張が報道されることも多いが、私は彼はMADMAN戦略(トランプ大統領の「マッドマン」心理戦略--春名幹男 | ハフポスト)を巧みに使いながらも、アメリカの国益をきちんと追及しているように見える。これは、世界戦略が協調の時代から自己利益追求の時代に変化しつつあることが最大の理由であろう。

 簡単に言えば、グローバリズムにより国家の利益を最大化できていた国々(例えば、アメリカや日本、欧州など)が、その戦略では不都合が生じ始めたことである。こうしたグローバリズムというプラットフォームを利用して、利益をかすめ取り始めた存在は二つ。一つはグローバル企業やタックスヘイブンなどを用いて税金を払わない人たち。そして、もう一つが中国などの先進国と発展途上国を使い分ける国である。

 

 現在、世界で注目されているのは後者の中国とアメリカの対立ではあるが、世界的に導入されているシステムでは、まず前者がテロ対策等を理由にして大きな制限が加えられつつある。資金の移動に関する国際的な情報共有(https://www.fsa.go.jp/news/30/20180817amlcft/20180817amlcft-1.pdf)である。

 前者のグローバル企業も後者の中国という国も、既存のルールをうまく活用して抜け道を見つけ、利益を拡大していった。当初は、そうした企業や国家の成長が、先進国の利益につながるであろうことから許容されてきた動きではあるが、それが看過できないところまで広がったからこそ、現在の様々なトラブルが引き起こされていると見るべきであろう。

 

 大凡、いつの時代でもルールによる規制と、それを掻い潜る人や団体のいたちごっこが繰り広げられてきた。一見理想的に見える制度も、そのような人たちが暗躍し始めると途端に利権構造出来上がる。国際的なものでなくとも、税金に巣くう仕組みは聞いたことがあるだろう。誰もが、常に楽にお金を得る方法を探しているのだから。

 多くの規制は、善良な人々の方を苦しめるといわれる。大部分の人たちが制度の趣旨を守り真面目に利用しているのに、一部の制度を悪用する人たちのせいで制度が複雑化し利用が難しくなっていく。そして、ある時仕組みそのものが大きく作り変えられる。

 

 現状、世界で起こっているのはそうした枠組みのパラダイムシフトであると考えた方がよいだろう。急激な変更は革命と呼ばれるが、そこまでの激変は望んでいない。だから、少しずつ時間をかけながら痛みが少ないように進められている。

 短期的な一部を取り出して見ても、全体像が容易には見えないこともあるだろう。新たな冷戦とか呼ばれるのは、こうした枠組みの変更が呼称されている。日本のポジションはアメリカと共に進む方向であるが、例えば韓国はどちらに向かうのかと問われたりもしている。GSOMIA問題が囁かれており(「GSOMIAは重要」米が韓国に継続要請か : 国際 : 読売新聞オンライン)、韓国が離脱するのではないかという予想もされているようだが、個人的な意見としては今回の離脱はないと思っている。だが、万が一それがなされるようなら、韓国からは一気に大量の資本が逃げ出すだろう。

 

 大きな枠組みが変わる時代には、それに応じた混乱が巻き起こされる。その詳細を予測することはできないが、安定が続くという幻想を抱かなければそれなりの対応が可能となるだろう。日本は長らく安定という眠りについてきた。それは心地よい物ではあったが、私たちの気力をむしばむ麻薬のようなものでもあった。

 こうした混乱は、1年や2年で終わるものではない。10年、あるいはそれ以上かけてゆっくりと、そして何かきっかけがあれば急激に、物事が変化していく。香港問題も、台湾問題も、ブレグジットも、そしてイラン問題も、ドイツ銀行問題も、世界中は火種に満ち溢れている。

 

 大変な時代ではあるが、だからこそこう言いたい。

「混乱の時代にようこそ。さあ、それを楽しみましょう」

思想権力闘争

 津田大介氏が被害者として祀り上げられ、言論の自由を開けぶ声に世論塗りこめられるという懸念は、彼らの浅はかな対談動画(https://video.twimg.com/ext_tw_video/1158220102753349635/pu/vid/640x360/-W4sMNzkAB-XjuM5.mp4)により払しょくされたと考えてよいだろう。朝日新聞抗議殺到で中止、悪しき前例 芸術祭、異なる背景知る機会 「表現の不自由展」:朝日新聞デジタル)等のメディアや、一部の言論界隈(テレビ朝日の玉川徹氏、「表現の不自由展・その後」展示中止に怒り|ニフティニュース)が声を上げても(学者らが会見「再開させ、よき事例に」 表現の不自由展 [表現の不自由展・その後]:朝日新聞デジタル)国中に広がることはない。もはやそのような扇動に動かされるほど、多くの国民は感情的でもないし、情報が不足してもいない。

 ただ、朝日新聞や左派知識人などが主張するように、展覧会を再開したほうがよいという意見には私も賛成だ。中止の直接的な原因(“表現の不自由展”中止へ。大村知事、京アニ放火事件を意識したことも明かす【あいちトリエンナーレ】 | ハフポスト)とされる犯罪行為は未然に防がれたのだから(表現の不自由展に脅迫ファクス送った疑い、会社員を逮捕 [表現の不自由展・その後]:朝日新聞デジタル)。そのうえでどんな展示が行われ、芸術という隠れ蓑を使いながらどれほど偏った思想をまき散らそうとしていたかを、多くの人に見てもらうべきだと思う。そして、多くの国民による妥当な判断を下してほしい。

 それにつけても、この問題は愛知県内や大阪を巻き込んだ、政治家のくだらない言い争い(大村氏、大阪・吉村知事の発言に「はっきり言って哀れ」 [表現の不自由展・その後]:朝日新聞デジタル)にまで広がっている。私としては大村知事をほとんど評価していない(川村市長の人気の尻馬に乗ったレベル)ので、特に感想があるわけではないが、彼は自分の政治能力や支持の厚さを過信しすぎではないだろうか。まあ、次の選挙で審判が下されるだろう。静かで声を上げない多くの有権者を馬鹿にしてはいけない。

 

 さて、今回の問題に関して私個人の立ち位置は、芸術的表現については世論と比較してもかなり寛容だと思っている。当初より、補助金削減等の圧力をかけるべきではないと考えたし、津田氏が芸術監督に適しているとはサラサラ思わないが、それでも彼の考えや思想が明らかにされること、そして社会がその程度の低さをきちんと評価すればよいと考えた。実際、怪我の功名的ではあるがその方向に動いているようで何よりだ。

 しかしながら、彼程度の人間がどうして社会的に評価され、任期付きとはいえど有名大学の若き教授になれたのかということについては疑問が残る。正直に言えば、大学界隈は左派的な思想の人の比率が一般社会と比較すると高いという現実がある。それは、ポジションとして自由であることや十分な立場と地位(あるいは給与)が確保されているということもあるだろう。もちろん、権力におもねらないからこそ独創的な研究ができるという側面があるのは間違いない。だが、それはあくまで個人レベルの思想信条に留めておいてほしい。

 

 というのも、津田氏が担ぎ上げられているようなケースは、審査員側の考え方が大きく左右されると考えられるからだ。知識人たちは、自分たちの地位や思想を守りながらも自分たちの考え方に対する賛同者を募ろうとすれば、広告塔を作り上げることが最も簡単で有効なのだ。すなわち、発信力があり一定の論理構成もできる、その上で被弾や炎上に慣れている津田氏の様な存在は非常に有効な駒となり得る。

 とすれば、様々な機会を通じて彼のような人物を社会的に価値あるポジションに置くことで、上手く利用していると考えるのが妥当ではないか(自治体等も社会的な地位のある人や受賞により人を選ぶので、「評価ロンダリング」と呼んでもよい)。ちなみに言えば、これはそれほど組織立った動きではなく、自分たちの考え方に社会的な賛同が広がらない状況を何とかしようとする自発的なあがきとも言える。

 もっとも、このように思想信条の近い人を持ち上げる傾向は昔から存在する。東京オリンピックロゴの時と同じような、業界のインナーサークルは今でも数多く存在し、それは右も左も同様である。

 

 結局、今回の騒動は大きな目で見るとこうした思想権力闘争の一部であり、津田氏は途中まで鉄砲玉として最適の存在であったと言えるだろう。だが、今回の件でミソが付いた。だが、次の有望な若手は数多くいる。なぜならばうまく立ち回り決定的なミスをしないでいられれば、自分のポジションや確固たる収入を得られる場所はどこかに用意されるのである。そこに求められるのは、多くの場合は発信力と打たれ強さ。

 そういう人はメディアにも数多くいるとは思わないだろうか。まあ、そういうことである。

引っ込みがつかない文政権

 以前より書いてきたとおり、きちんとした申請を行ったレジストについては、経済産業省が輸出を承認した(韓国向け半導体材料輸出、1件許可 政府、管理対象の拡大検討 - 産経ニュース)。今後も順次、過去の横流し等が無い企業における戦略物質については輸出が認められるだろう。それがどの程度認められるかは、韓国の物資管理のでたらめさ程度により変動するだろうが、きちんと処理している企業であれば問題ない。

 そして、一部とはいえど輸出が認められたことについては、韓国は日本が折れたと宣伝してくる可能性は高い。韓国の言い分を日本が認めたと世界中に宣伝してくるはずである。更に言えば、一部とは認めたのだから早々にホワイト国(あるいは区分A)に戻すべきだと言ってくるだろう。

 だが、日本としては淡々と国際ルールに基づいた手続きを進めると共に、日本の対応の正当性を繰り返し訴えていくべき(韓国への輸出管理厳格化後 初の輸出許可 経産省 | NHKニュース)である。日韓関係についてきちんと理解している国際的な知識人からすれば、今回の件は韓国が勝手に感情的になって騒ぎ立てていることは自明であるが、それ以外の報道が韓国よりの国際世論に傾かないように、説明を続ける必要がある。宣伝戦では、日本は韓国には負けてしまう。なぜなら、彼らは失う信用が日本よりもずっと小さいため、無茶を通せるという背景があるからだ。

 

 しかしながら、日本が取った輸出管理の厳格化対応を受けて、韓国は感情的な反応を数多く示してきた。大統領は日本政府の対応に汚い言葉まで投げかけ、政府要人は様々な対抗措置に触れ、国民は日本ボイコットの運動を激化させた(日本製備品に「戦犯ステッカー」 韓国で条例再提出 - FNN.jpプライムオンライン)。メディアも輸出規制という報道を数多くしてきた。そして、今もその流れからはは離れていない(経済報復の手綱は握りったまま、引き締めは見合わせる日本の長期戦策略 : 東亜日報)。特に歴史問題を絡めての言い分には、日本人として納得出来ないものが少なくない(【社説】日本は自由貿易に逆行する経済報復を直ちに中断せよ | Joongang Ilbo | 中央日報)。

 さて、この状況でどのような納め方をするのであろうか。正直、私は韓国のばつの悪そうな状況を見て、個人的にワクワクしている。あれだけの日本に対する罵詈雑言を吐きながら、「日本が態度を改めたので鞘に納める」的な反応ではなく、「ホワイト国から外したままなのだから、元に戻すまでは決して諦めない」的な過激なものを期待である。

 実際、韓国の対抗策はいずれも韓国自身の首を絞めるようなもの(セルフ経済制裁)であったのだから笑えない。なお、自分たちで日本に頼らないで済むように技術開発を進めようという考え方は基本的に正しい。だが、そのためにコストアップや品質の低下を招くので、韓国の製品の質が低下してもそれは彼ら自身の問題である。

 アメリカや日本もコスト優先で進めてきた世界的なグローバルチェーンが、自国の安全保障上問題があると認識しており、今後信用できる国での生産に徐々にシフトさせていくのは間違いない。今回の輸出管理厳格化もまさにその延長線上にあるものだ。

 

 今回の日本の輸出管理厳格化において、韓国政府は感情的な日韓経済における全面戦争を煽ってきた。その流れに乗り、よく事情を調べもしない韓国国民は日本ボイコットに勤しんできたわけだ。だが、それが可能な反応であったとすれば、国民の不満は政府に向きかねない。要するに、韓国政府は今後も日本に対する強硬な態度を崩しづらい。

 日本が折れたという宣伝をしたとしても、実質的に韓国の態度が変わらなければ日本は再び厳格化を進めたり、あるいは戦時労働者(所謂徴用工)問題への対抗策は今後も粛々と取り続ける。さて、これに対してどのように反応をするつもりなのだろうか。

 

 自己正当化のために感情を煽り続けたツケが、これから韓国政府・文大統領に大きく降りかかってくる。しかし、おそらく引っ込みが付けられない彼らは、今後も反日的な嫌がらせを続けるしかないだろう。確かに、経済の首根っこは日本に抑えられており、その状態は容易には変わらない。その上で、今後も韓国が日本医敵対的な態度を示し続けるとすれば、徐々に生産拠点を韓国から他の国々(日本も含む)に移行していくだけのことである。

 

 さあ、今後の動きをゆっくりと楽しんでみたい。